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後方から追走を仕掛けてきた4選手は、ゴール前19kmの2級山頂を、45秒遅れで通過した。ところがダウンヒルの終わりに、一時は15秒差にまで追い詰められた。
「正直に言うと、勝利を疑い始めたんだけど……」(グジャール、公式記者会見より)
第12ステージの嫌な記憶が頭をよぎった。1週間前は、約165kmも逃げた果てに、ゴールライン手前300mほどで吸収された。それに、城壁都市アビラへと誘う石畳の坂道では、詰め掛けたファンたちの歓声があまりにも大きかったものだから、無線がまるで聞き取れなかった。追いついてきているのか、追いついてきていないのか、それとも何か別の状況が繰り広げられているのか……見当もつかない状態だったそうだ。
石畳を抜け出した後に、ようやく、生まれて初めてのグランツール勝利を確信した。4人とのタイム差は、再び40秒以上に広がっていた。プロ入り前の4年間で59勝というとてつもない数字をたたき出した大物は、プロ転向してからすでに5勝目だから……「シーズンで一番美しい勝利」なんて思わず口にした。すぐに「キャリアで一番」と訂正したけれど、おそらく、22歳の若者は、この先もっと美しい勝利を積み重ねていくに違いない!
グジャールが飛び出した2級峠で、後方では、モヴィスターが動いた。ゆったりとした流れは、急激に断ち切られた。ガツン、とスピードが上がった。反応できなかった選手は、その場で脱落していった。反応できた選手は、慌てて前へ詰め掛けた。ひどいラッシュの中で、ステファヌ・ロセットが、アルノー・クーテルを巻き込んでアスファルトに転がり落ちた。そこで分断が発生し、反応できた選手も、大半が置いてけぼりにされた。新城幸也もまた、目の前の落車でブレーキをかけ、メイン集団からはじき出された1人だった。加速と落車分断とで、集団は一気に小さくなった。
下りに入っても、モヴィスターは攻め続けた。特にアレハンドロ・バルベルデが、捨て身で、何度でも、飛び出しを試みた。かつて「エル・インバティド(無敵)」のあだ名を欲しいままにしたはベテランは、総合6位につけている。首位デュムランとの差は3分15秒と大きく、表彰台も2分差とひどく遠い。
「もはや何も失うものがない時こそ、トライ、トライ、トライ、なのさ。僕はもう、ブエルタの総合優勝を望めやしない。だからといって、座り込んだりもしない。だから今日もアタックを仕掛けた……」(バルベルデ、チーム公式HPより)
往生際が悪いからこそ、6度のブエルタ表彰台(うち1回は優勝)、6度の世界選手権表彰台を筆頭に、数々の好成績を積み重ねてきたのかもしれない。そんなバルベルデの危険性を、ライバルたちは十分に承知していた。アスタナのアシストたちは代わる代わる潰しにかかった。ついに残り5.5kmでバルベルデが1人になると、ティンコフ・サクソが牽引作業に従事した。一方では、ライバルたちの大いなる奮闘を横目に、ジャイアント・アルペシンはじっと息を潜めていた。
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