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【Cycle*2024 フレーシュ・ワロンヌ:プレビュー】唯一絶対の勝負地「ユイの壁」を4回、誰が真っ先に上り詰めるのか
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かつてないほどの接戦は、ヒルクライマーたちの総反撃で、ドラマチックに終わりを迎えた。6秒差をひっくり返すために、ファビオ・アルとアスタナは、見事な戦術ゲームを繰り広げた。かれこれ3週間に渡って堅固な守りを敷き続けてきたトム・デュムランとジャイアント・アルペシンは、最後の最後で、崩れ落ちた。マイヨ・ロホはアルの手に渡り、デュムランは総合6位へと陥落した。
新城幸也が逃げた。チーム監督からの指示が出た。すごく調子が上がってきているのに、もう1度トライしないなんてもったいない……、本人もそう考えた。スタート直後に、他の10人と共に飛び出した。後方からさらに30人近い塊が追いかけてきたけれど、幸いにもジャイアント隊列からは逃げを許可された。マドリード到着の前日に、今大会2度目のエスケープへと、乗り出した。
1980年にヨープ・ズートメルクがツール・ド・フランスを制して以来の、オランダ人グランツール総合優勝へ向かって、ジャイアント隊列はまずは静かなる集団制御に勤しんだ。前日同様、できる限り急がずに。しかし、前日とは違って、不穏な空気が漂っていた。なにしろ、前方にはライバルチームの駒が、大勢滑り込んでいた。アスタナ2人、モヴィスター4人、カチューシャ2人、ティンコフ・サクソ1人。一方のオランダ隊列は9人全員が、デュムランの周囲を固めた。逃げ集団には最大13分ほどのリードを与えた。
1級峠をひたすら上ったり下りたりするだけの、ひどく難しいステージだった。2つ目の1級峠の山頂間近で、11人の先頭集団から、するするっとルーベン・プラサが抜け出した。「だって、まだ、ゴールまでとんでもなく遠かったから……」と、新城幸也がゴール後に語ったとおり、いまだに山が2つ半と、110kmという長距離が残っていた。誰も動こうとはしなかった。プラサはたった1人で冒険に乗り出した。7月のツール・ド・フランス第16ステージで、マンス峠からガップへの下りフィニッシュへと、単独で突き進んで行ったように。
「ゴールまで110km以上も残してアタックするというのは、かなりいかれた挑戦だということは分かっていた。でも、調子が、あまりにも良かった。コースを熟知していたし、自分にぴったりのステージで勝利を手に入れたかった。だから温存してきたエネルギーを爆発させた」(プラサ、チーム公式リリースより)
残された10人は、延々と付かず離れず追いかけてきた29人と合流した。プラサのリードが2分程度に広がると、2つ目と3つ目の山の間では、数多くの「ブリッジ」が試みられた。ところが、ジョヴァンニ・ヴィスコンティやアレッサンドロ・デマルキといった逃げ巧者が、どんなに猛烈に追い立てても、35歳ベテランの影さえ捕まえることができなかった。
「僕はパーフェクトなシーズンを過ごしている。チームメートやチーム、そして、すべてのファンたちにお礼を言いたい」(プラサ、チーム公式リリースより)
驚異的な脚を披露して、プラサはフィニッシュラインまで先頭で駆け抜けた。2005年ブエルタの第20ステージから、ちょうど10年ぶりとなる、地元スペイン一周での勝利だった。もちろん、2015年だけで、グランツール2勝を手に入れた。
エスケープ集団のはるか後ろで、マイヨ・ロホ集団は、比較的平和に歩みを続けていた。ルイ・メインティスの総合10位を守るために、途中からは、MTNクベカが集団牽引を買って出た。もしも、このまま何事も起こらなければ、デュムランのマイヨ・ロホ確定まであと60km……。
「今日の鍵は、3番目の山。4つの1級峠の中で、もっとも勾配の厳しい山だからね」(ステファノ・ザニーニ、アスタナ監督、スタート前インタビューより)
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