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サイクル ロードレース コラム 2016年3月1日

【パリ〜ニース/プレビュー】本格的なサイクルロードレースが開幕!マイヨ・ジョーヌに向け、コンタドールらが参戦する!

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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……ところで、山もいいけれど、実は今大会にはもうひとつ「目玉商品」がある。それが平坦に区分される第1ステージの、最終周回×2周に登場する、石灰の道のこと。開催委員会に言わせるとトロ・ブロ・レオン風、もしくはストラーデ・ビアンケ風。つまりひどくでこぼこで、晴れ続きなら埃が舞い上がり、雨が降ればどろどろに……。しかも道の名前がシュマン・デ・モール(死者たちの道、1.3km)に、ル・テルトル・ド・ラ・グラシエール(氷河の丘、800m、文字通り上り坂)。なにやら物騒でもある。もしかしたらこの未舗装路たちが、いわゆる「ツール1週目に登場する石畳」のような役割を果たしてくれるのかもしれない。少なくとも開催委員会の狙いは、ずばりそこにある。

こんな2016年パリ〜ニースの優勝候補筆頭に上げられるのが、今年限りでの引退を口にしているコンタドールだ。かつて2007年初優勝、2009年総合2位、2010年総合優勝と、3月のフレンチレースで好成績を並べた年には、必ず7月のツールを勝ち取ってきた(2010年ツール優勝は後に剥奪)。そしてこの春、5年間の空白を経て、「エル・ピストレロ」が――昨11月のパリのテロ襲撃事件の直後に、2度とピストルポーズは取らない、と語っていたが――パリ〜ニースに帰ってくる。人生最後のマイヨ・ジョーヌ獲りに向けて、初心に戻る。

コンタドールの最大のライバルに目されるのが、ディフェンディングチャンピオンのリッチー・ポート。2010年大会はコンタのアシストとして、2012年大会はウィギンスのアシストとして、それぞれにリーダーを総合優勝に導いた。2013年・2015年は自らパリ〜ニース総合優勝をもぎ取りながらも、ツールではフルームのマイヨ・ジョーヌ獲りを助けた。そんな働き者が、今季はBMCのリーダーになった。いよいよポート自身が、ツール・ド・フランス制覇を目指す足がかりとして、南仏での3度目の栄光を目指す。ただ過去2回の総合優勝は、最終日エズへの登坂タイムトライアルで築き上げられてきた。今大会は少々状況が違う。

昨春はそのポートのために見事な山岳アシスト役を務め、夏にはグランツールライダーとしてついに覚醒したゲラント・トーマスが、今回はスカイでリーダー役を張る。ツアー・オブ・オマーンの最難関ステージで、ヴィンチェンツォ・ニーバリ相手に対等に戦い、いよいよ選手として成熟してきたロメン・バルデにとっては、19年ぶりのフランス人総合優勝も夢ではない。やはりオマーンの山で、昨ブエルタの活躍が偶然ではなかったことを証明したトム・ドゥムランも、パリ〜ニースで新たな実績を積み上げる。ピエール・ローランやアンドリュー・タランスキー、ルイ・コスタ、サイモン・イェーツ等々の実力者たちも、きっと総合争いを大きく盛り上げてくれるに違いない。

もちろん直後のサンレモ対策にやってくるスプリンターたち(アレクサンドル・クリストフ、マルセル・キッテル、アンドレ・グライペル、ナセル・ブアニ、アルノー・デマール等々)や、サンレモ〜アルデンヌと盛り立ててくれるだろうパンチャーたち(マイケル・マシューズ、フィリップ・ジルベール、ミカル・クヴィアトコウスキー等々)の仕上がり具合も、来るクラシックシーズンに向けてしっかりチェックしておくべし。

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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