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サイクル ロードレース コラム 2016年3月23日

【ヘント〜ウェヴェルヘム/プレビュー】突風には要注意!完走すら難しい過酷なレースに、名スプリンター達が挑む。

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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この場合、優勝候補の筆頭に上げられるのは、いわゆる「スプリンターズクラシック」ミラノ〜サンレモを近年勝ち取ったマーク・カヴェンディッシュ(2009年)やアレクサンドル・クリストフ(2014年)、アルノー・デマール(2016年)となる。中でもカヴは、ずっと昔から、ヘント〜ウェヴェルヘムに憧れてきた。プロ入り時に立てた「キャリア7大目標」の1つでさえある。しかし過去6回出場して、最高成績は初出場2008年の17位(70人以上の大集団スプリントだった)。近年はと言えば、2012年大会はケンメルベルフの下りで分断に巻き込まれた。2013年は「チームリーダー」のトム・ボーネンの落車が影響し、昨2015年は強風に自らがなぎ倒されて……。

そのボーネンは2004年・2011年・2012年と過去3度の栄光をつかみとった。いずれも21人、35人、15人という、小さな集団スプリントを制してきた。ただ地元フランドルの雄も、今では35歳大ベテランとなった。おそらく今大会では、フェルナンド・ガビリアとリーダーの座を分け合うことになるのだろう。そもそも勝利請負人に任命されるのは、なにもミラノ〜サンレモのフィニッシュライン手前で落車した21歳の若者だけではない。北クラシックスペシャリスト精鋭軍団のエティックス・クイックステップは、ニキ・テルプストラ、ズデネク・シュティバル、トニー・マルティン、マッテオ・トレンティンという強豪を揃えている。たとえどんな展開になっても、勝ちに行けるように。

最終盤の平坦路は、単なる残酷な吸収・合併の舞台ではない。スプリンターの追及の手を振り払い、逃げ切りの最終加速を決める、そんな力強いシーンが見られるのもここだ。2013年大会では、ゴール前4kmで、ペテル・サガンが完璧なる独走態勢に持ち込んだ。昨年は残り6kmで、さりげなく、しかし巧妙に、ルーカ・パオリーニが優勝への飛び出しを決めている。後者は残念ながら、現在出場停止処分中だが、前者の現役世界チャンピオンは、今年も優勝大本命に上げられる。

つまり過去スプリンターたちにやり込められてきたグレッグ・ヴァンアーヴェルマートやニキ・テルプストラ、さらにファビアン・カンチェッラーラは、勝ちたいなら、過去の例に倣って平地アタックを決めるしかない。特に3月18日で35歳となったカンチェッラーラは、人生最後の春クラシックシーズンを過ごしている。サンレモからルーベまでの5つのワールドツアー登録クラシックのうち、すでに4つは入手済みだ(サンレモ1回、ハーレルベーク3回、フランドル3回、ルーベ3回)。ところがヘント〜ウェヴェルヘムに限っては、2005年の4位がこれまでの最高順位。「歴史に名を刻む」ことへの意識が人一倍強い男は、こんな平凡な順位でキャリアを終えたくないはず……。

26日(土)から27日(日)の深夜に、ベルギーはサマータイムへと移行する。つまり選手たちも、沿道に観戦に訪れるファンたちも、いつもより1時間だけ睡眠時間を削られる。日本のファンにとっては……、レース放映時間が1時間早まるのだから、ありがたいことこの上なし!J SPORTSではこのレースを生中継でお届けする。

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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