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【ツール・デ・フランドル/プレビュー】記念すべき100回大会の主役となるのはベテラン勢か、勢いに乗る若手勢か!?
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか果たしてボーネン vs. カンチェラーラのフランドル最終章は、期待通りの展開を見せてくれるだろうか。なにしろ新しい優勝候補たちが、どんどんベテランたちの居場所を奪っていく。世界チャンピオンジャージ姿でついに勝利を手に入れたペーター・サガンに、まさかの石畳クラシック耐性を見せ付けたミカル・クヴィアトコウスキー。ディフェンディングチャンピオンのアレクサンドル・クリストフはちょっとした体調不良から回復してきたし、今季春から絶好調のグレッグ・ヴァンアーヴェルマートやエドヴァルド・ボアッソンハーゲンは、念願のモニュメントを虎視眈々と狙っている。セプ・ヴァンマルクもそろそろ表彰台のてっぺんに上りたいだろうし、エティックスと同じ地元ベルギーのロット・ソウダルは、例年以上に好カードを揃えている。
肝心のレースのほうは、18年前からの恒例通り、ブリュージュのマルクト広場から走り出す。ツール・デ・フランドル創設者のカレル・ヴァンヴィネンデールの生まれ故郷トルホウトを、12km地点で通過し、先人に深く敬意を表すことも忘れない。そして全長255kmの長距離走の、100km地点を過ぎた頃から、大会名物の激坂巡りにとりかかる。
坂道の数は全部で18。昨大会より1つ少ないけれど、レース前半に登場する「戦いに関係のない坂」が減っただけ。つまり勝負地の数は変わらない。石畳坂の数も同じ(10箇所)だし、回る順番もまったく同じ。……長年のファンにとってはひどく残念なことに、記念すべき100回大会に、カペルミュールは帰ってこなかった。エネコ・ツアーでは2012年から通過しているし、今年が40回記念となるパンヌの3日間にも大会史上初めてコースとして採用されたというのに。しかも、2回も通過したという!
ともかく、激坂シリーズは、オウデ・クワレモント(石畳、全長2200m、平均勾配4%、3回通過)から幕を開ける。名物の超激坂コッペンベルフ(石畳、全長600m、平均11.6%、最大22%)が、ゴール前44.6kmで、プロトンをばらばらに引きちぎる役目を果たしてくれるだろう。そしてドアーズ・ドア・フラーンデレンやE3ハーレルベークにも登場するパテルベルフ(石畳、全長360m、勾配12.9%)の、2度目の通過で難所は全て終了する。そこからフィニッシュ地までは、残り13.2km。フランドル自転車博物館のあるウーデナルドで、記念すべき大会100回目の勝者は華々しく誕生する。
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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