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サイクル ロードレース コラム 2016年4月7日

【パリ〜ルーベ/プレビュー】通算52.8kmの凸凹道は「北の地獄」。2016年石畳対戦、最終章。

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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2016年春の石畳大戦も、いよいよ最終章を迎える。4月10日の日曜日、パリ〜ルーベが、史上114回目の地獄巡りへとプロトンを誘う。J SPORTSではその苛酷なレースの模様を生中継する。全長257.5kmのコース上に待ち構えるのは、全部で27のパヴェ区間。通算52.8kmのでこぼこ道!

早くもシーズンは3つ目のモニュメント、5つ目のクラシックレースへと走りだす。ミラノ〜サンレモは超がつくほどの長距離戦で、ツール・デ・フランドルは石畳の激坂が過酷な戦いを作り上げる。そしてパリ〜ルーベ、別名「北の地獄」は、恐ろしく整備の行き届いていないゴツゴツの農道が、選手たちの肉体と精神とを長時間にわたって苛み続ける。

パンクやメカトラは日常茶飯事。この日ばかりは各チームもスタッフや関係者、家族さえも総動員して、いたる所でホイールを手に選手通過を待ち構える。少しでも不確定要素を減らそうと、パヴェからパヴェへ、自動車を爆走させて先回りする。足場の安定しない凹凸路の上では、落車の危険も、いたるところに潜んでる。これが「パリ〜ルーベは実力だけでは勝てない」と言われるゆえんである。幸運の女神を味方につけることができなければ、決して「クラシックの女王」を勝ち取ることは出来ない。

気象条件が大きくレースコンディションを変えてしまうのも、ルーベの大きな特徴のひとつ。近年は地球温暖化のせいか、4月の北フランスは、温かな晴天続きが多い。農地の真ん中を突っ切る石畳路の上には、当然のように、いっぱいの土砂が積み重なっており……、乾燥した砂はもうもうと煙幕のように舞い上がる。一方でかつてのパリ〜ルーベは、泥んこレースとして名を馳せてきた。現スカイ監督のクナーフェンがもぎ取った2001年大会以来、久しくドロドロの勝者はお目にかかっていない。

ただし、ルーベの石畳路の全てが、完全に乾き切ることもない。たとえば鬱蒼とした森を突っ切るトゥルエ・ダランベール(162km地点、全長2400m)は、いつも湿ったまま。またトラクターの通る農道にはあちこちに巨大な穴があいているから、一旦出来た水たまりは、なかなか消えることがない。だから乾燥した石畳を超高速で突っ走って、その勢いのまま湿ったゾーンに差し掛かると、車輪が滑ったりコントロールを失ったりという惨事につながる。

ちなみに、大会前の月曜日に行われた恒例のルート下見会によると、第27セクター=最初の石畳ゾーンが、土にたっぷりと覆われているとのこと。湿った部分と乾いた部分が混在しており、レース委員長のグヴヌー氏によれば、「今日がレース当日なら、この道は絶対に迂回する」ほど危険な状態らしい。同ルートを使用するかどうかは、大会直前に最終判定が下される。大雨が降って土が全て流れだすか、はたまた完全に乾き切ってしまえば、使用が可能になるんだとか。気になる天気予報は大会前の木曜日は雨、金曜は曇り、土曜日と日曜日は小雨……。

石畳ゾーンが、つまり26に減らされる可能性もあるけれど、とりあえず全ての石畳の難度は5段階で評価される。泥んこの第27セクターは難度3。4年ぶりに復活した小さな坂道、第22セクター(127km地点、通算1700m、序盤400mは−7%の下り、その後400mが7%の上り)のカペル・リュヌもやはり難度3。最大難度の5つ星を頂戴しているのはアランベール(トゥルエ・ダランベール、第18セクター、162km地点、全長2400m)、モン・アン・ペヴェール(第10セクター、209km、3000m)、カルフール・ド・ラルブル(第4セクター、240.5km、2100m)の3ヶ所だ。アランベールで有力選手達が一気に加速し(重要な落車も発生し)、数度の鋭角カーブや微妙な上り下りが潜むモン・アン・ペヴェールで優勝候補が絞り込まれ、ファンが詰めかけすぎて道幅が極端に狭くなったカルフール・ド・ラルブルで勝利が決まる……、というのが定形だろうか。

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