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サイクル ロードレース コラム 2016年4月14日

【アムステルゴールドレース/プレビュー】春のクラシックシーズン最終章、「トリプティック(三連祭壇画)」幕開け。地獄の丘陵バトルを制するのは誰か?

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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もちろんクフィアトコフスキーにとっては、今からの3連戦が大本番。なによりディフェンディングチャンピオンとして、優勝大本命として、アムステル・ゴールドレースを走る。少々気になるのが、石畳競争による疲労の残り具合だろうか。ただヘント&フランドルで好走を見せた後、ルーベをお休みしてから、アルデンヌ3連戦を全制覇している2011年ジルベールの前例を見る限り、むしろコンディションを上げてきている可能性のほうが高いのかもしれない!

ちなみに肝心のジルベールは、大会の約10日前に左手の親指を骨折し、出場さえも微妙な状況だ。またアルデンヌの後半2戦でそれぞれ3勝ずつ上げながらも、アムステルだけは2位(×2回)止まりのアレハンドロ・バルベルデも、今年は10年ぶりにリンブルフ旅行を取りやめた。5月に初めてのジロ出場を控えているため、同時期に行われるステージレース(ブエルタ・ア・カスティーヤ・イ・リオン)での調整を選んだのだ。

昨2位のバルベルデは欠場だが、昨3位のマイケル・マシューズは、念願のクラシック勝利へと意気込みを見せる。パリ〜ニースで区間2勝&ポイント賞をさらい取ったオージーは、4月上旬にはスペインのワンデーレース、ブエルタ・ア・ラ・リオハ優勝で絶好調ぶりを再アピールしたばかり。オリカ・グリーンエッジのプレ出走リストには、昨秋の世界選手権から少々関係がこじれているサイモン・ゲランスの名前もあるが……。大方の予想によれば、アムステル&フレーシュはマシューズで、リエージュはゲランスで、ときっちり住み分けがなされるのではないかということ。

ダニエル・マーティンとジュリアン・アラフィリップもやはり、同じチームに所属する2人の有力選手、という構図となる。ただし昨春に初出場フレーシュ2位&リエージュ2位と驚くべき台頭を見せた23歳は、昨冬に単核球症を患い、「いまだ100%ではない状況」。ならばマーティンのためにしっかり働きたい……ときっぱり宣言する。一方のマーティンは3月末のカタルーニャ一周を区間1勝&総合3位と極めて好調に締めくくったが、4月上旬のバスク一周は低調のまま途中棄権。果たしてマーストリヒトのスタートラインには、どんな調子でやってくるのだろうか。石畳クラシックを大いに盛り上げながらも、勝利ゼロで終えた所属チーム、エティックス・クイックステップのためにも大きな勝ち星を持ち帰りたいところ。

トレーニングキャンプ中の自動車事故に6選手が一気に巻き込まれ、難しい春クラシックシーズンを送ってきたジャイアント・アルペシンは、ようやく本気の体制でレースに臨むことができる。地元トム・ドゥムラン、事故から復帰のワレン・バルギル、昨ツールの区間勝利で一皮むけたシモン・ゲシュケの3リーダーで勝利を狙う。石畳では苦戦したランプレ・メリダも、得意の起伏コースではルイ・コスタ&ディエゴ・ウリッシ&ヤン・ポランツェと強力な布陣を組む。当代一の激坂ハンター、ホアキン・ロドリゲスに、プリトと袂を分かちモビスターへ出戻りしたダニエル・モレノの争いも、ぜひお目にかかりたいところ。2004年にトリプティック同一年全制覇の偉業を成し遂げたダヴィデ・レベリンも、44歳8ヶ月にして、再びアムステル・ゴールドレースに帰ってくる。

また日本からはアルデンヌ3戦全戦に出場の別府史之の他に、ニッポ・ヴィーニファンティーニの窪木一茂と小石祐馬がワールドツアーレースに初挑戦する予定だ。

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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