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サイクル ロードレース コラム 2016年4月14日

【アムステルゴールドレース/プレビュー】春のクラシックシーズン最終章、「トリプティック(三連祭壇画)」幕開け。地獄の丘陵バトルを制するのは誰か?

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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頑強な男たちによる石畳大戦は幕を閉じた。2016年の春クラシックシーズンはついに最終章、丘陵バトルへと突入する。短い急坂と曲がり角が無数に続くアムステル・ゴールドレース、自転車界屈指の激坂「ユイの壁」が立ちはだかるフレーシュ・ワロンヌ、そしてクラシック最古にして「最も美しい」と形容されるリエージュ・バストーニュ・リエージュの「アルデンヌ3部作」で、主役を務めるのは、細くしなやかなふくらはぎに爆発力を秘めたパンチャー&クライマーたち。1週間のうちに立て続けに行われるこれら3レースは、「トリプティック(三連祭壇画)」とも呼ばれ、グランツール総合狙いの強豪たちさえ天からの祝福を追い求める。

3部作の1話目は、1892年創設リエージュ、1936年フレーシュに比べると、1966年に誕生した比較的若いアムステル・ゴールドレース。正確にはベルギーのアルデンヌ地方ではなく、お隣オランダのリンブルフ地方で行われる。全長248.7kmの長旅は、古く美しき都市マーストリヒトから走りだす。春の緑萌える美しき丘陵地帯には、細道と、幾千のカーブと、34の激坂が待ち受ける。

といっても、なにはともあれ目玉はカウベルフの急坂!過去5回の世界選手権を迎え入れてきたファルケンブルフを中心として4つの周遊コースが描き出され、もちろんファルケンブルフから登り始めるカウベルフ坂も4回通過する(6、22、31、34個目の坂)。全長1200mの坂道は、平均勾配5.8%、最大12%。鉄道駅とほど近く、麓にはバーやレストランが立ち並び、しかも歩いて頂上まで上ることも可能だから、坂道の両脇にはファンたちがびっしりと詰めかけるに違いない!

カウベルフの頂点で、しかし、勝負が終わってしまうわけではない。いまだに賛否両論呼んでいるけれど、2013年大会以降、ラストに1.8kmの平地パートが付け加えられた。2013年(ロマン・クロイツィゲル)と2014年(フィリップ・ジルベール)は、坂道を一番に上り詰めた選手が、そのままフィニッシュラインへと真っ先に走りこんだ。一方で昨大会はジルベールがカウベルフを先頭で攻略したのだが、平地で次々と後続が追い付いてきて、最終的には18人のスプリントにもつれこんだ……。

アムステル・ゴールドレースは、「トランジション」のレースでもある。石畳を走り終えた選手と丘陵スペシャリストが同居することが多い。フランドルの激坂を上手くこなせる選手なら、アムステルの激坂も平気でいなせるはず。そんな理由で、ロンド→アムステルを掛け持ちするワールドツアー選手は約30人。決してアシストレベルだけの話ではない。たとえばヘント2位・フランドル3位・ルーベ4位のセップ・ファンマルクは、サンレモ初出場に続いて、アムステルにも初出場を予定している。8年ぶりにフランドルは欠場したけれど……、代わりにルーベで優勝をさらってしまったマシュー・ヘイマンさえも、なんとアムステルに乗り込んでくる(あくまでもアシスト役として、だが)。

逆もまた真なり。ということでトップ級のアルデンヌスペシャリストでありながら、今シーズンの石畳バトルに参戦し、とんでもない活躍を見せてしまったのががミハウ・クフィアトコフスキーであろう。2014年世界チャンピオンは、一昨年はフレーシュ&リエージュで表彰台に登り、昨季ついにアムステルを制した。石畳クラシックに関しては、いまだ「無名」だったり「若手」だったりしたころに、あれこれ体験した程度だった。しかし、スカイへと移籍した今シーズン、クフィアトコフスキーは黒いジャージ姿で石畳を爆走した。「ミニ・フランドル」と称されるE3ハーレルベークを制し、本家フランドルでも恐るべきアタックでレースを揺さぶったものだ(27位で終了)。

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