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本日ジロ・デ・イタリア2016開幕! 何があっても寛容なお心で―。予期せぬハプニングもジロならではの醍醐味です。
サイクルNEWS by 寺尾 真紀実際にはレース無線は「ステルヴィオの下りすべてではなく、一時的にアタックを停止する(そのタイミングは近くを走行するモトが赤旗を振って知らせてくれる)」をいう指示をしたつもりだったが、下りすべての競技停止、あるいはアタック停止だと理解したチームが多かった。チームだけではなく、ジロの公式ツイッターもそう勘違いをしてツイートをしてしまったくらいだから、やはりレース無線の指示はわかりにくいものだったのだと考えてよいと思う。
山頂付近は体感温度が零下10℃近くという気象条件の中、 チームからレース無線の内容を伝え聞いて、ゆっくり時間を取り、食べ物で暖をとったり、着替えをした選手もいた。休憩は取らないまでも、少なくともこの下りではアタックをしてはいけない、という指示だと考え、従った選手もいた。モトが周囲にいなくて、どうしたらよいかわからない選手も多かった。一方で、この下りの途中で飛び出し、アタックをかけた選手もいた。この混乱の結果、総合優勝を争っていた2人の選手の順位が逆転し、最終的な勝敗の行方を左右しかねないタイム差が生じてしまうという結果になってしまった。
この日のコースは、ある意味前年の「リベンジ」とも呼べるもので、先ほどちらりと触れた、大雪により中止になったジロのステージ(2013年)を、そっくりそのまま登場させたものだった。ガヴィア峠、ステルヴィオ峠というジロを代表するモンスター峠を、同じ日に越えるのは、ジロ史上初。美しさと過酷さを追求するジロにとってもかなり野心的なステージだったといえる。ただでさえスムーズなコミュニケーションが難しいレース中に、この野心あふれるコース設定と、5月のドロミテの過酷な気候条件が重なってしまっての混乱だった。
トップ選手たちの体力、精神力にさまざまな側面から挑むような「過酷さ」こそがジロの醍醐味。そこから生まれたチャンピオンこそが真のチャンピオンなのだ、という信条が、その根底にはある。とすると、5月の気まぐれな空模様との、ぎりぎりのところでの攻防戦さえも、ジロをジロたらしめる重要な要素なのだと言えるかもしれない。 『山岳をより難しくすることで、ジロでの勝利が持つ意味や価値を高め、選手たちに魅力あるレースだと思ってもらうこと。イタリアの自然や景観が持つ美しさを人々に伝えて、ジロのファンになってもらうこと』 長いことジロのコースデザインにたずさわり、2012年からはレース・ディレクターを務めるマウロ・ヴェーニ氏の言葉だ。
今日から始まるジロ2016の21日間の道のりも、たくさんのドラマの可能性をそこかしこに秘めている。 今年はどんな挑戦が、ジロのスタートラインに並ぶ22チーム、198人の選手たちを待ち受けているのだろう。
寺尾 真紀
東京生まれ。オックスフォード大学クライストチャーチ・カレッジ卒業。実験心理学専攻。デンマーク大使館在籍中、2010年春のティレーノ・アドリアティコからロードレースの取材をスタートした。ツールはこれまで5回取材を行っている。UCI選手代理人資格保持。趣味は読書。Twitter @makiterao
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