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本日ジロ・デ・イタリア2016開幕! 何があっても寛容なお心で―。予期せぬハプニングもジロならではの醍醐味です。
サイクルNEWS by 寺尾 真紀悪天候による国際映像の中断は、各国のスタジオにとって大きな試練だが、悪天候に見舞われたとき、現地でも、それと同じくらいの ― いやそれ以上の混乱状態となっている、と考えて間違いない。
コースが短縮されるのか、ならばゴール地点はどこになるのか、迂回ルートが採用されるのか、迂回中は「競技続行」なのか「競技停止」なのか、はたまたステージキャンセルもありうるのか…。
ステージレースにおいては、事務局も開催委員会も審判もコミッセールも、誰もが常に移動中である。もちろん、休息日や、宿泊先に到着してから翌朝までは「長めの静止状態」があるが、ホテルからスタートへ、スタートからゴールへ、ゴールから次の宿泊先へと、一日の間にも動き続けなくてはならない。
もちろん便利なEメールというものがあるわけだが、公式のコミュニケが出るまでの待ち時間がとてつもなく長く感じられたり、そうこうしている間にも、こういう風に決まったらしい、レース中であれば、ラジオコルサ(レース無線)がこんな指示を流したらしい(←イタリア語の内容を英語で繰り返してくれなかったり、ラジオコルサカーと距離が離れると受信できない)などと、気がもめることこの上ない。
取材に行っているだけでもそうなのだから、例えばレース中に重要な判断を迫られる、チームの心労を察するに余りある。チームカーは大きなお皿のようなアンテナを取りつけているから、少なくともレース無線を聞き逃すことはないはずだけれど・・・
それでも、最後の頼みの綱、レース無線が原因で混乱が起きてしまったこともある。雨、雪が吹きつけ、次のコーナーも見えないような霧に包まれたステルヴィオ峠(標高2758m)でのできごと(2014年)だ。ここから25kmの長い長いダウンヒル区間をどう走るか、という指示にまつわる混乱だった。
走行条件が極端に危険な場合など、レース無線が「競技停止」を指示することがある。わかりにくいコンセプトかもしれないが、例えば「とにかく安全にここを下って、みんながそろったところで競技を再開しよう」というような考え方だ。もう一つは「アタックの停止(あるいはポジションの維持)」で、直前までの順位をそれぞれ維持したままで進み、解除されるまでは飛び出したりアタックしたりしない、ということを意味する。
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