人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

サイクル ロードレース コラム 2016年4月26日

【ツール・ド・ロマンディ/プレビュー】ツール・ド・フランス前哨戦?2016年ツール総合表彰台候補が全員集合!ジロ総合優勝候補たちからも目が離せない!

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
  • Line

緑の草木と、遠くにかすむ白い尾根、そんな風景の仲を駆け抜ける色とりどりのジャージたち。まるで絵画のような世界が、ツール・ド・ロマンディの周辺には広がっている。お日様に照らされた牧歌的な雰囲気も良いけれど、雨に濡れたスイスの小道も、また麗しい。J SPORTSではこの歴史あるレースをJ SPORTSオンデマンド限定配信する。

スイスのロマンド語圏(フランス語圏)を舞台に繰り広げられるツール・ド・ロマンディは、今年で70回大会を迎える。かつてジーノ・バルタリ、エディ・メルクス、ベルナール・イノー等々の偉大なるチャンピオンたちが大会勝者リストにその名を刻んできたが、とりわけ近年、ツール・ド・フランスとの関係が強まっている。なにしろ2011年カデル・エヴァンス、2012年ブラッドレー・ウィギンス、2013年クリス・フルームと、3年連続でロマンディ覇者が同年のマイヨ・ジョーヌに輝いている。また2014年はロマンディ5位のヴィンチェンツォ・ニバリが、2015年は3位フルームが、それぞれ真夏にツールを制した。つまり4月下旬に開催されるこのステージレースは、3月のパリ〜ニース&ティレーノ〜アドリアティコと、6月のドーフィネ&スイスの中間に位置する、「ツール・ド・フランス総合上位候補たちが本気で力試しを行う」重要な大会なのである。

理由はおそらく、日程的・気候的な条件以外に、1)単純で平坦なスプリントステージが存在せず、2)タイムトライアルが必ず組み込まれ、3)アルプスでの山頂フィニッシュが競えるから。2016年大会はプロローグ+5ステージの6日間で争われる。黄色い総合リーダージャージの最初の持ち主を決めるのは、初日3.95kmの短距離個人タイムトライアル。2009年からユネスコの世界遺産「ラ・ショー・ド・フォンとル・ロックル、時計製造業の都市計画」として登録された、ラ・ショー・ド・フォンの町並みを舞台に繰り広げられる。

スイスは国土の3分の2が山地と言われている通り、残す5日間はアップダウンにあふれている。第1ステージには足慣らし程度に、軽めの起伏が織り込まれた。第2ステージは1級峠モルジャンへの山頂フィニッシュで、第3ステージの個人タイムトライアル15.11kmは、丘を登って降りて、というアップダウン仕様。そして第4ステージは、今大会の最難関ステージ。3級2つ、1級2つをこなした後に、1級ヴィラール・シュル・オロン山頂への長い登りが待ち受ける。最終日の第5ステージだけは、大集団スプリントフィニッシュで大団円……となるだろうか。それでも3級峠2つを含む起伏の多いコースで、道が平坦になるのはようやくラスト13kmに入ってから。

すると2016年大会も、7月のマイヨ・ジョーヌの行方を占うのに、どうやら最適だ。今ツール獲りを宣言する選手たちが、ずらり出走リストに名を連ねる。たとえば昨ツールの総合上位2位のフルームにナイロ・キンタナ、BMCのリーダーコンビであるリッチー・ポート&ティージェイ・ヴァンガーデレン、フランスの星ティボ・ピノーにロマン・バルデ、ピエール・ローラン、さらにはアンドルー・タランスキー、ウィルコ・ケルデルマン、バウケ・モレマ、今季から本気の総合モードに切り替えたゲラント・トーマス、地元スイス期待のマティアス・フランクetc...。端的に言えば、(アルベルト・コンタドールとファビオ・アルを除く)2016ツール総合表彰台候補が全員集合!

ちなみにジロ・デ・イタリア開幕直前だというのに、ジロの総合優勝候補たちの中にも、ロマンディを最終調整に選んだ強者たちがいる。ジロ総合2位2回のリゴベルト・ウラン、昨ブエルタ最終日前日まで総合首位につけていたトム・ドゥムラン、昨ブエルタ総合3位ラファル・マイカ、そして2012年ジロ総合覇者ライダー・ヘシェダル!また昨季ロマンディで総合優勝を果たし、直後のジロでは区間勝利をもぎ取り、一躍トップライダーの仲間入りを果たしたイルヌール・ザカリンも、今年再びロマンディ→ジロの転戦を予定している。

「ロマンディスペシャリスト」の存在も、決して忘れてはならない。つまりはサイモン・スピラクとルイ・コスタの2人。前者スロヴェニア人は2010年総合優勝、2013〜2015年の3年連続総合2位で、後者ポルトガル人は2012〜2014年の3年連続総合3位。どうやら2人は「スイス」という土地と非常に相性が良いらしく、ツール・ド・スイスも2012〜2014年はコスタが3連覇、2015年はスピラクが総合優勝を決めている。

日本の別府史之も、スイスに相性の良さを感じている1人。U23時代にはスイス国境の山々で行われるジロ・デッラ・ヴァッレ・ダオスタで区間勝利を手にしているし、2007年ロマンディでは区間2位に入る活躍も見せた。それに今年のツール・ド・フランスはスイスを通過するから……。今年もツール・ド・ロマンディで、きっと、納得の走りを披露してくれるはずだ!

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
サイクル ロードレースを応援しよう!

サイクル ロードレースの放送・配信ページへ