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そこから約40分後、デュムランが平均時速時速53.212kmでフィニッシュラインへと滑り込んだ。ゴールタイムは、やはり11分03秒。
ログリッチェとデュムランという2人の選手が、つまり、まったくの同タイムで並んだ。いや、正確に言えば、同タイムではなかったのだ。個人タイムトライアルで同タイムが記録された場合、100分の1秒まで比較される。そしてデュムランが、ほんの、わずか、たったの、……100分の1秒速く、計測システムを作動させたのである!
「僕は幸運な男だよ!だってタイムトライアルに『パーフェクト』は絶対にありえないものだから。今日の僕だって、小さなミスをいくつも犯したからね」(デュムラン、記者会見より)
この日の勝者が、心から喜びを爆発させることができたのは、さらに15分ほど待ってから。最後から2番目に走り出したファビアン・カンチェラーラが8位に沈み、最終走者が走り終えた瞬間に、デュムランの1位が確定した。昨秋ブエルタの終了日前夜にマイヨ・ロホを失った25歳が、生まれて初めてピンク色のジャージに袖を通した。
ちなみにデュムランは、昨夏、黄色のチャンスを逃している。2015年のツール・ド・フランスは、やはりオランダから走り出した。初日個人タイムトライアルの優勝候補に挙げられていたデュムランは、首位から8秒差の4位に終わった。悔しさを顔中に滲ませて、押しかけたメディアやファンの目を避けるように、足早にフィニッシュ地を立ち去ったものだった。
「なにしろ『祖国』で、『初日優勝候補』というのは、生まれて初めての体験だったから。ユトレヒトではフラストレーションを味わったよ。でも、あの経験があったおかげで、今回はプレッシャーはそれほど感じずにすんだ。むしろリラックスして走ることができた。だから『ホッとした』気分よりも、『嬉しい』気分のほうがずっと大きいんだ。大会前から何度も繰り返しているように、今回は総合争いに加わるつもりはない。そうは言っても、できる限りマリア・ローザを守って行きたい。オランダステージの残り2日も、お天気に恵まれるといいね。そして今日と同じくらい、たくさんの人々に応援に来てほしい。こんな素晴らしい体験が祖国で味わえるなんて、言葉では言い表せないくらいスペシャルだよ」(デュムラン、記者会見より)
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