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サイクル ロードレース コラム 2016年5月9日

ジロ・デ・イタリア2016 第3ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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「区間2勝とピンクジャージ。今ジロの最初の章を、最高のやり方で終えられた。でも今回のマリア・ローザは、ダイレクトに手に入れたわけじゃなかった。ちょっとした回り道が必要だった。良いタイムトライアルをして、2つのスプリントを勝って、ようやく手に入ったジャージなんだ。だから僕にとっては、すごくスペシャルなリーダージャージだよ」(キッテル、公式記者会見より)

ちなみに2014年、アイルランドから走り出したジロで、やはりキッテルは第2&第3ステージを連勝している。しかし長い移動を経て、イタリアで迎えた第4ステージの朝に、「高熱」を理由に大会を離れた。今回はどうしてもイタリアで走りたい。最終日のトリノ行きについてはまだ考えていないが、まずは「マリア・ローザ姿で1勝したい」と熱望している。

「これでイタリアへ行けますね!」

オランダの3日間で早くも2選手がリタイアした一方で、無事にフィニッシュへたどり着いた山本元喜は笑顔で第一声を上げた。

「ちょっとほっとしています。でも、これから、レースはきつくなっていきます。今日も起伏はありましたけれど、今後の起伏に比べたら今日なんて完全な平坦……にしか思えないような起伏がやってきます。だからほっとしつつも、集中しなおさなければなりません。これからいよいよ、ジロ・デ・イタリアが始まる、という感じですね。とにかく次のTTの前日までは、脚をしっかり使いながらも、完全に使い切ってしまうことはせず、しっっかり走り続けたい。そしてタイムトライアルの前日あたりが逃げに乗る狙い目なのかな、と考えています。」(山本元喜、ゴール後インタビューより)

北の大地で熱狂の週末を過ごした選手たちは、アムステルダムの空港近くでオランダ最後の夜を過ごす。そして翌朝のフライトで、イタリアの長靴のつま先部分へ飛ぶ。一方で大半のチームスタッフや開催関係者は、徹夜でドライブしつつ、2500km近い距離を一気に移動する。

フィニッシュ地のアルンヘムから高速道路に飛び乗って、南へ車を走らせていると、ふと、陸橋や沿道から、無数の人々が手を振っているのに気がついた。それこそ50km以上にもわたって!

よくよく目を凝らすと、彼らが身につけているのは、ピンク色ではない。赤と白のカラーを身にまとい、PSVと記されたフラッグを振っている。実はジロ第3ステージの、フィニッシュまで30kmほどの時間帯に、2015/16エールディビジ(サッカーオランダ一部リーグ)に決着がついた。前節まで首位だったアヤックスが引き分けに終わり、PSVアインドホーフェンが奇跡的な逆転優勝を決めたのだ。

実はジロそっちのけで、オランダの放送局は、15分ほどたっぷりサッカーニュースを挿入するという暴挙に出たわけだが……。とにかく、ジロに熱狂したこの国は、スポーツを心から愛している。またきっと、近いうちに、グランツールはオランダに帰ってくるに違いない。

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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