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サイクル ロードレース コラム 2016年5月14日

ジロ・デ・イタリア2016 第7ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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さて、1つ目の山岳でプロトンは一旦は分断し、その混乱も次第に収まりつつある頃だった。スタートから55kmを過ぎて、ようやく6選手がエスケープの切符をもぎ取った。ステファン・クン、アクセル・ドモン、ジューリオ・チッコーネ、ステファン・デニフル、イリア・コシェヴォイ、そしてダニエルフェリペ・マルティネスの飛び出しを見送ると、メイン集団に静かな時間帯が訪れた。

それでも、「スプリンター向け」と銘打たれてはいたけれど、コース上には起伏があちこちに潜んでいた。ところどころで、雨や風も待っていた。ロット・ソウダルの面々は、決して運任せにはしなかった。集団前方でしっかり隊列を組み、極めて勤勉に制御に務め続けた。タイム差は最大でも3分50秒しか与えなかった。

2つ目の山岳を、ゴール前約40kmで終えると、下りを利用してクンが独走へと打って出た。昨春、トラックの個人追抜き(4km)で世界チャンピオン3連覇(2013・14年はU23、2015年はエリート)を達成した22歳は、しばらくの間、自慢の健脚をたっぷりと見せつけることになる。

しかしフィニッシュが近づくに連れて、ロット・ソウダル以外のチームも、集団前方で加速を始めた。やはり13日の金曜日にちなんで「150万ユーロ特別くじ」を用意したフランス宝くじ公社の面々も、牽引に手を貸した。ちなみにオランダでは、13日の金曜日に宝くじを買う習慣はないようで、チーム ロットNL・ユンボが本気で働き始めたのはゴール前2km程度から。またイアムやトレックも、積極的にスピードアップを繰り返した。

2011年ブエルタからグランツール13回連続完走・14回連続出走中のアダム・ハンセンが、いつも通りタフな牽引仕事をやり切って、ゴール前7kmでクンを完全に回収した。赤いジャージのロット・ソウダルは、続いてショーン・ドゥビーに先頭のバトンを託した。

幸運を味方につけたチームがあれば、不運に襲われた者もいた。オランダでは乗りに乗って区間2勝を手に入れたマルセル・キッテルが、ゴール前約5km、パンクの犠牲となった。2回の山で千切れながらも、下りを利用してメイン集団への再合流をなんとか果たしたというのに……。自転車を交換してすぐさま走りだすも、猛スピードで遠ざかっていくプロトンに、もはや追いつく術はなかった。

「これほどのアンラッキーに見舞われるなんて、本当に残念だ。まあ、結局のところ、今日は13日の金曜日だから」(キッテル、チーム公式リリースより)

ラスト2kmからは、ユルゲン・ルーランツが引っ張る番だった。すでに2日前にも驚異的な仕事を見せた最終発射台は、連続して登場する90度カーブを、全て先頭で突っ込んだ。もちろん背中には、グライペルを連れて。

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