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サイクル ロードレース コラム 2016年5月15日

ジロ・デ・イタリア2016 第8ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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モヴィスターの逃げ2人が上りでたっぷりバルベルデを助けたのだとしたら、やはり逃げていたアルントが、苦しむデュムランのもとに駆けつけたのは、上りがほぼ終わってから。判断ミスか。伝達ミスか。それとも下りを利用して、距離を縮めるつもりだったのか。山頂では、すでに1分10秒以上のタイム差がついていた。

昨ブエルタの第20ステージでは、結局は追いつけなかったけれど、赤ジャージ姿のデュムランはたしかに下りで凄まじい追い上げを見せた。しかし、この日は、ライバルたちとの距離はまるで縮まなかった。

なにしろ下りでは、プロトン屈指のダウンヒル巧者、ニーバリも先頭を積極的に牽引した。翌日に個人タイムトライアルを控え、2014年世界選手権個人タイムトライアル銅メダリストから1秒でも多くタイムを奪おうと、メイン集団の11人は決して仲間割れを起こさなかった。ただひたすら、一塊になって、フィニッシュへと飛び込んだ。今ジロはどうやら、フィニッシュラインでの「分断」を厳しく取り締まることに決めたようで、またしてもメイン集団内で3秒の分断が発生したけれど。

ブランビッラがゴールしてから2分51秒後、デュムランがフィニッシュラインを越えた。バルベルデからは1分10秒遅れ、ニーバリからは1分07秒遅れだった。また総合では2位23秒差ザカリンから10位1分03秒差ランダまで、メイン集団に居残った選手がズラリと並んだ。デュムランは1分05秒差の11位に後退した。総合表彰台候補、すなわち総合2位から11位までのタイム差は42秒だ。

「今の状況を見る限り、本来のA計画に戻すことになるだろう」(デュムラン、チーム公式HP)

初日TTを勝った直後から、デュムランは幾度も繰り返してきた。今大会一番の目標は、第9ステージの個人TTを勝つこと。もしも調子を取り戻して、A計画を成功させられたら、再びデュムランが総合上位に踊り出ている可能性は大いにある。

「明日は最初から最後まで全力を尽くす。TTを最終走者として挑むのは生まれて初めて。全選手が僕の前を走っているわけだから、彼らに追いつき追い越すつもりでがんばらなきゃならない」(ブランビッラ、公式記者会見)

体重58kgと小柄な大逃げ野郎も、マリア・ローザを1日で手放すつもりはない。2年前、同じような地形のTTステージでは、2位以下に1分17秒という大差をつけて優勝したリゴベルト・ウランの、わずか1分53秒差の区間5位で終えている。

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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