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【Cycle*2024 フレーシュ・ワロンヌ:プレビュー】唯一絶対の勝負地「ユイの壁」を4回、誰が真っ先に上り詰めるのか
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白い道が、トム・デュムランからピンク色の衣装を剥ぎとった。古豪チームの巧みな戦術、使命を忠実に果たしたアシスト、優勝大本命たちの強烈な加速、そしていわゆるサドル痛とエネルギー切れ。あらゆる要因が重なって、首位から総合11位へと一気に転落した。代わりにばら色と区間とを同時に射止めたのは、大きな逃げを成功させたジャンルーカ・ブランビッラだった。未舗装の砂利道を単独で突進し、危険をかえりみずダウンヒルを攻めた。トスカーナの熱狂的なファンたちは、今大会初めてのイタリア人マリア・ローザに歓喜した。
逃げが決まる。スタート前からそう運命づけられていた。地形的にスプリンターは追いかけてこないし、翌日に長距離タイムトライアルを控えているから、総合本命たちも区間最終盤以外は無駄に体力を使わないはず。大会開幕前どころか、3月上旬から、この第8ステージで逃げようと決めていた選手さえいる。
「ストラーデ・ビアンケで3位に入った時から、ずっとこのステージのことを考えていた」(ブランビッラ、公式記者会見)
スタート直後から、当然のように、激しいアタック合戦が巻き起こった。20km地点で13選手がエスケープの切符をもぎ取った。中でもAg2r、エティクス、そしてモヴィスターの3チームは、それぞれ2選手ずつ小集団に滑り込ませた。デュムランの同僚、ジャイアントのニキアス・アルントも前にいた。
エティクスとAg2rの4人は、区間勝利だけに焦点を絞っていた。だからマッテオ・トレンティンはブランビッラのために「自らを犠牲にして尽くした」し、ブレル・カドリはマッテオ・モンタグーティのために「クレイジーなほどに牽引」を続けた。トレンティンとカドリが全力で引っ張り合った逃げ集団は、メインプロトンから延々5分ほどのリードを保ち続けた。総合でわずか1分56秒遅れだったブランビッラは、「暫定」マリア・ローザとしてレース先頭を走っていた。
1度目のフィニッシュライン通過を終えると、2級峠アルプ・ディ・ポーティがやってくる。モンタグーティは山道で真っ先に加速を仕掛けた。数選手が後を追い、先を急いだ。
「上り序盤では他の選手たちにアタックさせておいた。だって一番重要なのは、ダートロードに入ってからの急勾配ゾーンだって分かっていたから」(ブランビッラ、公式記者会見)
山道を登り始めて約2km。ついに細かい砂利の道に突入した。勾配も10%から急激に14%へと跳ね上がる。そのタイミングを、ブランビッラは待っていた。全身全霊で加速をお見舞いした。あっというまに前をとらえ、そのまま他者には目もくれずに、あっさり振り払った。
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