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「今回のジロに来るまで、10kmを超える個人TTを走ったことがなかったんだ!」(ログリチェ、公式記者会見より)
まあ、2月のアルガルヴェ一周で全長18kmの個人TTを24位で終えていることは、目をつむるろう。これ以外は、たしかに、元スキージャンパーが10.1kmを超える単独走行を行ったことはない。
「TTは自分との戦いだ。自分自身をコントロールしなければならない。スキージャンプに似ているところがあるね。でも、だからと言って、TTが自分向きだとすぐに気がついたわけではないんだ。ただ、どうやら、そうらしいんだけど」(ログリチェ、チーム公式HPより)
雨を逃れた幸運な選手もいれば、冷たい雨に打たれた選手も大勢いた。特に総合上位を争う選手たちは、揃って難しいコンディションの中に放り出された。多くの選手が胸の前で十字を切り、安全を祈りながらずぶ濡れの路面に飛び出していく中で、新人賞ジャージ姿のボブ・ユンゲルスはできる限りの危険を冒した。
「カーブは注意深くこなす必要があったけれど、タイムを多く失いすぎないよう気をつけた。スタートする前から、自分向きのTTコースだと分かっていたんだ。3月のストラーデ・ビアンケの後にコースをした見に来ていたからね」(ユンゲルス、ゴール後TVインタビューより)
ルクセンブルクの現役TT王者であり、2010年の同種目ジュニア世界チャンピオンは、雨にも負けず、区間首位からわずか45秒遅れの区間6位に滑り込んだ。そしてこの好走のおかげで、前日の時点では1分21秒差の総合14位に過ぎなかったが23歳が、総合2位へと一気に浮上することになる。
とういのも第1ステージ王者にして、今大会ではカンチェラーラと並ぶ世界屈指のTTスペシャリストのトム・デュムランは――前夜マリア・ローザを脱いで総合11位に沈んでいたが――、「必要のない危険は冒さなかった」(ゴール後TVインタビューより)。区間1分58秒遅れで静かに走り終えた。
また総合3位ステフェン・クルイスウィクから10位ミケル・ランダまでの総合本命8選手で、目を見張るようなパフォーマンスを見せた選手もいなかった。むしろヴィンチェンツォ・ニーバリ2分13秒差、ランダ2分20秒差、クルイスウィク2分23秒、アレハンドロ・バルベルデ2分24秒と、良くも悪くも、どんぐりの背比べ状態だった。さらには、2年前に同じような起伏TT+雨天を制したリゴベル・ウランが、区間首位から4分12秒差と、完全なる失敗で1日を終えた。
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