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「僕とステファノはそれぞれにチャンスを狙いに行ったんだ。彼はすごく調子が良かったし、周りの選手もそれに気がついていた。だからあまり自由に動けなかったみたいだね」(チッコーネ、チーム公式リリースより)
ネオプロで、ほぼ無名の21歳は、自由に、そして思い切って動いた。下りのヘアピンカーブで、ピラッツィがクネゴと接触している隙に、ゴール前15km、勝利へ向かって旅立ってしまった!
「正直に言うとジロ出場だけでも驚きなのに、勝てるなんて、まるで夢みたい。素晴らしい成功だ。ただし、これは、最初の一歩に過ぎない。学ぶべきことはたくさんあるし、目の前に続く道は長い」(チッコーネ、チーム公式リリースより)
2015年「若手の登竜門」ツール・ド・ラヴニールで総合6位に入り、今季はステージレースの難関区間で幾度もひと桁の順位に入っているヒルクライマーは、7.5kmの最終峠を、力強く駆け上がった。プロ生活わずか5ヶ月で手に入れた初勝利が、グランツールの山頂フィニッシュだった。「彼は強かった。おめでとうと言いたいよ」と、12年前、22歳の若さでジロ総合優勝を果たしたクネゴも素直に脱帽する。
「僕も区間を狙っていたんだけど、猛スピードで下って行ったチッコーネに、まるで追いつけなかった。でも、とにかく、ジャージを取り戻せて本当に嬉しい。できる限り長く守りたい。今後2日間は幸いにも簡単なステージだから、きっと問題ないだろう。週末の山岳ステージに向けては、ロードブックを見て、じっくり研究しておくつもり」(クネゴ、TVインタビューより)
逃げが飛び出していった後、メイン集団は、エティックスが制御を続けた。オランダの平地ではスプリンター、マルセル・キッテルのために完璧なコントロール能力を発揮したが、この日は起伏だらけの道で、大いに苦労させられた。それでもマリア・ローザのブランビッラと、総合でわずか1秒遅れのマリア・ビアンカのユンゲルスのために、必死に主導権を握り続けた。
ヴィンチェンツォ・ニーバリ率いるアスタナは、幾度となく揺さぶりをかけてきた。さらに1級山岳の山道に入ると、力づくで集団先頭を奪い取った。……ここで、まずは、トム・デュムランが千切れた。ピンクジャージを守ろうと6日間奮闘してきたオランダ人の、疲弊しきった体は、休養日だけでは回復しなかった。股ずれにも苦しみ、もはや強豪が刻むリズムについていくことはできなかった。休養日明けを総合7位・58秒遅れで走り始めたデュムランは、走り終えた時には、総合29位・11分42秒遅れへと大きく陥落していた。
恐ろしいアスタナの山岳戦隊は、さらに集団を小さく切り刻んでいく。エティクスのアシストは、もはや全員後方へと消え去った。そして山頂の手前3kmから急激に勾配が上がると、ユンゲルスはしがみつき、ブランビッラは滑り落ち……。
「アスタナには苦しめられた。ただ一旦脱落してからは、自分のペースで登ろうと決めた。下りで追いつけると分かっていたから」(ブランビッラ、チーム公式リリースより)
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