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サイクル ロードレース コラム 2016年5月21日

ジロ・デ・イタリア2016 第13ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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1年前は第5ステージであっさりと、アルベルト・コンタドールがマリア・ローザを手に入れたものだった(第13ステージで1日だけ手放すが)。大本命が素早く戦いの流れを決めた昨大会とは違い、この日またしても、総合候補以外の第三者がリーダージャージを身にまとった。最後まで精一杯奮闘したボブ・ユンゲルスに代わって、総合リーダー補佐役のアンドレイ・アマドールがピンク色の喜びに包まれた。いわゆる大物たちはそれぞれに攻撃を試みたが、明確な違いは誰一人として生み出せなかった。混迷する総合争いの前方では、激しいポイント&山岳争いが繰り広げられ、総合リーダーを失った元補佐役のミケル・ニエベがフィニッシュラインで両手を上げた。

ついに2016年ジロ一行は、本格的な山へと足を踏み入れた。ヒルクライマーにとっての楽園は、スプリンターにとっての地獄。4人のスプリンターが出走を取りやめ(特に前日の首位&2位のアンドレ・グライペルとカレブ・ユワン)、ステージ中にもスプリンター2人(+1人)が自転車を降りた。一方で、帰宅を拒否したジャコモ・ニッツォーロやアルノー・デマール、サッシャ・モドロは、序盤に出来上がった逃げ集団に滑りこんだ。

赤ジャージの正統なる後継者になりたかった。山に入る直前の41.8km地点には、中間ポイントが待っていた。わずかなポイントを巡って、3人は必死にもがいた。結果はデマールがまんまと首位通過で8ptを収集。4位モドロと5位ニッツォロは「中間ポイント賞」用のポイントは収集したけれど、肝心の「ポイント賞」用ポイントはゼロ点で終えた。ジャージは通算138ptのニッツォロが引き継ぎ、デマールは119ptで2位、モドロは84ptで4位につける。

山岳賞を狙う選手たちも、全4峠で最高100ptの収集が可能な今ステージを、決して見逃さなかった。青ジャージ姿のダミアーノ・クネゴは、当然のように、エスケープに陣取った。

中間スプリントを終えると、最初の登坂が始まった。前方からスプリンターたちが脱落していき……、対照的に後方プロトンからは、ティム・ウェレンスがブリッジを試みた。肝心の本人は、最終的にはプロトンへと引き下がってしまうのだが、企てに賛同した数選手は、まんまと前方への合流を成功させた。1年前の山岳賞ジョヴァンニ・ヴィスコンティも、その1人だった。

さらに少々遅れて、ニエベが、たった1人でプロトンからの追走を決意する。

「前に大きな逃げができたた。メイン集団の総合本命達は、おそらく最終峠まで動かないだろう。つまり逃げ切りは確実だ。しかも、地形は、どうみても僕向き。これはトライするしかないぞ、と思ったんだ」(ニエベ、ゴール後インタビュー)

メンバーが軽く入れ替わり、なによりヴィスコンティやニエベを新たに加えた逃げ集団を、ランプレ・メリダとキャノンデールが責任を持って牽引した。両チームとも3人ずつ前方に送り込んでいた。前者はディエゴ・ウリッシのピンクジャージの可能性を追い求めて、後者は区間勝利+総合リーダーの有事対策のために。

ステファン・デニフルが最初の1級峠で単独加速し、続く2級峠の下りまで先頭を走り続け、それから道端で待っていて再び集団に合流する……という不可解な動きは放っておいた。またクネゴとヴィスコンティの山岳ポイント一騎打ちも、決して邪魔しなかった。ただひたすら、できる限りのタイムを稼ぐべく、2チームは全力を尽くし続けた。

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