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【Cycle*2024 フレーシュ・ワロンヌ:プレビュー】唯一絶対の勝負地「ユイの壁」を4回、誰が真っ先に上り詰めるのか
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「ファンタスティックなチームワークと、見事な戦術とでつかみ取った勝利だよ。しかも僕が、ゴールまでの地形を熟知していたことも、勝利の鍵だった」(トレンティン、公式記者会見)
すでにツール区間2勝&パリ〜トゥール優勝と、お隣の国フランスでは大きな成績を残してきたトレンティンにとって、母国のイタリア一周で手に入れた初めての嬉しい勝利だった。
翌日のフランス入りを前に、総合上位には大きな変動はなかった。起伏が訪れるたびに、強豪たちはクルイシュウィクに揺さぶりをかけた。スプリントを仕掛けては、マリア・ローザを引き剥がそうと試みた。ただ終わってみれば、広い肩幅でピンク色を着こなすオランダ人の強さが、改めて証明されただけだった。総合1位〜9位までの選手は、揃ってトレンティンから13分24秒遅れで240kmを走り終えた。
「このジャージを身にまとって、さらに自信が強まったし、さらに快適に走ることができている。あらゆる瞬間を楽しんでいるよ。アルプス2連戦を恐れてはいない。僕は長い登りで常にトレーニングを積んできたし、なにより長い登りを得意としているから」(クルイスウィク、公式記者会見)
トリノ到着まであと3日。マリア・ローザと表彰台を巡る争いも、山本元喜の初めてのグランツール完走へ向けた戦いも、イタリアとフランスの国境沿いにまたがる2000m超の巨大な山々でクライマックスを迎える。
「これまでも、自分が普通に上っている脇で、ものすごく苦みながら上っている選手をたくさん見てきました。だから、今日の分の疲れを差し引いても、そういう選手たちと同じくらいには上れるんじゃないかと考えています。まあ……、それで、もしも打ち切られたとしたら……仕方がないですね。でも、とにかく、最後まで走りきりたい。本来の目標である完走を、絶対に果たしたいとと思っています」(山本元喜、ゴール後インタビュー)
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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