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サイクル ロードレース コラム 2016年5月27日

ジロ・デ・イタリア2016 第18ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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ゴール前1kmのアーチを抜けた直後に、マッテオ・トレンティンは突如として姿を現すと、軽やかに優勝をさらいとった。初めてのグランツールで、初めての逃げに乗った山本元喜は、長い長い1日を区間23位でたくましく締めくくった。フィニッシュゾーンにたどり着いての第一声は、「抜かれなかった!」だった。山本到着のほんの22秒後に、マリア・ローザ集団が猛烈なスプリントでラインを駆け抜けた。

いつもなら大会のフィナーレを受け入れるミラノに、今年のジロ一行は、立ち寄る余裕などなかったようだ。郊外を少しかすめただけで、大急ぎで遠ざかって行った。なにしろ、この日の旅は、2016年ジロ最長の240kmなのだ!

ちなみに5月最後の週末、ミラノはピンク色に染まる代わりに、スペインのサッカーファンたちに占拠される。サン・タンナ・ディ・ヴィナディオの山頂フィニッシュにて、ジロの総合争いが(おそらく)全て決したほんの数時間後、ミラノのジュゼッペ・メアッツァ競技場にて、欧州サッカークラブナンバーワン決定戦UEFAチャンピオンズリーグの決勝戦レアル・マドリードvsアトレティコ・マドリードがキックオフする。

3度目の休養日には、「第17ステージで逃げられたら」と山本元喜は語っていた。しかし前日は、一発の加速であっさり3人が逃げ出し、試みることすらできなかった。だから、この日の朝、再び決意を固めた。「今日トライしてみよう」と。

「今日もしも逃げに乗ったら、明日とあさっての山がとてつもなくきついものになるかもしれない。それでも試そうと思ったんです。監督には何も言いませんでした。もしも『逃げたい』と意思表示したら、『やめておけ』と言わるかもしれない。それなのに逃げにトライしたとしたら……、それは命令に背く行為になりますから。だったら何も言わずに、行動に出ようと決めたんです」(山本元喜、ゴール後インタビュー)

スタート直後に、やはり比較的あっさりと、逃げが出来上がった。山本もしっかり滑り込んだ。集団は24人と巨大で、しかもマリア・ローザのステフェン・クルイスウィク擁するロットNL・ユンボが、快く逃げ切りを容認した。おかげでエスケープは最大で約14分ものリードを手にすることになる。このリードは最後までほとんど縮まることがなかった。

「スタート前から、今日は逃げが最後まで行くだろうと分かっていた。それに、誰が行くのか、どのチームが行くつもりなのか、というのも大体見当がついていた。ジロの終わりはたいてい予想通りに物事が運ぶ。だから僕らはレースをコントロールして、安全に過ごすことを選んだ。チームは完璧な仕事をしてくれた」(クルイスウィク、公式記者会見)

全22チーム中、15チームが前方に選手を送り出した。うち未だに区間勝利を手にしていないのは8チーム。とりわけBMCとキャノンデール、ティンコフが貪欲に攻めた。たとえばBMCは2日連続で逃げたダニエル・オスが必死に牽引し、ステファン・クンが起伏でアタックを仕掛けた。ティンコフからは、やはり2日連続で逃げたパヴェル・ブラットが加速を切ると、1回目のフィニッシュライン通過を単独先頭で走りぬけた。キャノンデールが吸収のために、スピードアップを敢行した。

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