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サイクル ロードレース コラム 2016年7月3日

ツール・ド・フランス2016 第1ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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「この先はアイシングして、マシーンで治療して、炎症がこれ以上ひどくならないよう努力していくしかない。体の右半身すべてを削られた。足首から肩まで。これが自転車レースさ。たとえ何か月もかけて集中して調整をしてきても、落車は起こるべくして起こるもの」(コンタドール、チーム公式リリースより)

マイヨ・ジョーヌ候補の一大事に続き、ラスト27kmでは、日本の新城幸也が単独でバランスを崩す番だった。ノルマンディの細い田舎道で、集団全体にブレーキがかかった瞬間だった。プレスリリース「Teamユキヤ通信」によれば、「新城の前を走っていた選手のペダルが外れ、新城の前輪を蹴りあげるような形で脚が当たり、前輪をすくわれた」とのこと。

両選手ともに、幸いなことに、落車後すぐにメイン集団に復帰を果たしている。また、両者ともに、走行再開後には、ドクターカーで治療を受けた。新城は左手薬指に包帯が施された。それぞれに区間勝者とタイム差なしの先頭集団で、無事に1日を終えることもできた。新城に関しては、フィニッシュ後には、右肩をかばうようにしながら自転車を降りた。その後右肩を軽く回した後、ただ「ダメ、痛い」と一言口にし、頭を振りながら現場を立ち去っている。

ドゥラプラスとハウズ、つまりマンシュ県で生まれ育ったずばり「レジォナル(地元っ子)」と、アメリカ人ながら若き日はフランスで、現在はスペインで暮らす国際派の逃避行は、フィニッシュ手前4.5kmまで続けられた。

「188kmを通して、あらゆるところで、僕の名前を叫ぶ声が聞こえてきた。きっとプロトンの外国人選手たちは、僕に嫉妬したんじゃないかな。すごく気分がよかった。最高の1日を過ごすことができた。きっと今夜は、足が痛くなるだろうけど。でも、あんなふうに応援してもらったら、足の痛みだって忘れてしまうものなんだ」(ドゥラプラス、ゴール後ミックスゾーンインタビューより)

敢闘賞赤ゼッケンの行き先が、大方の予想と希望にのっとってフランス人ドゥラプラスに決まると、その後のプロトンはただひたすらスプリントフィニッシュへと突き進んだ。辺鄙な海岸へと続く道は、あたりに遮るものが一切存在しない。強い追い風が、暴れ放題に吹き付けていた。しかもラスト5kmは、ゆるやかな下り気味。否が応でもスピードが出る状況だった。1日中コントロールに努めてきたロット・ソウダルとエティックス・クイックステップは、細い道の両脇で列車を走らせた。中を突いてカチューシャも前方へと競りあがった。白と黒を基調としたディメンションデータも、ゴール前500m、ど真ん中から猛烈な加速を切った。

「僕はまずエドヴァルド・ボアッソンハーゲンの後輪に潜んでいた。でも、自分で加速する前に、マーク・レンショーの後輪に入って待つほうが賢明だと考えた。サガンが右側に隙間を残していたのも、僕にはちょっとラッキーだったね。そこに全力で飛び込んだ」(カヴェンディッシュ、公式記者会見より)

得意の爆発力で一気に前に出た。31歳の背後では、世界チャンピオンの26歳ペーター・サガンや、28歳のマルセル・キッテルが猛烈に加速していた。特に自分からすべてを奪っていった男……、「世界最速」の称号を奪い、シャンゼリゼ連覇を4で止め、元所属チームから押し出し、さらには「初日勝利・初日マイヨ・ジョーヌ」の機会をあっさり2回さらい取った、そんなキッテルはすさまじい追い上げを見せた。

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