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【Cycle*2024 フレーシュ・ワロンヌ:プレビュー】唯一絶対の勝負地「ユイの壁」を4回、誰が真っ先に上り詰めるのか
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「序盤4ステージはしっかりフィニッシュ地を下見していたんだ。特に今日は、自分の脚質にぴったりのステージだと考えていたからね」(コカール、ゴール後インタビュー)
ラスト50kmに入ると、道は典型的なリムーザン地方の色を帯びてきた。小さなアップダウンが無数に続き、細いうねりが繰り返し襲い掛かる。もしもグランツールの3週目にこの道を走っていたら、疲れたプロトンを尻目に、逃げ切りの可能性だってありえたかもしれない。だからこそ、大会4日目のエスケープメンバーも、最後まで諦めようとはしなかった。
しかし、最年少のクジャールが、真っ先に遅れ始めた。昨ブエルタの3週目に、驚異的な逃げ切り勝利を手にした23歳は、ラスト40kmで先頭から脱落した。「ドーフィネでの落車以降、調子がまだつかめてない。逃げたのは間違いだったかも」(ゴール後テレビインタビュー)と後悔しながら。
畳みかけるような起伏の連続に、シリンガーも消えていった。最後までもがいたナーセンとイリサールも、ゴール前約8kmの急坂で、むなしくプロトンに飲み込まれた。
今大会なにやら賛否両論を呼んでいる「総合系チームによる隊列」も、あいかわらず目についた。最後はもちろんピュアなスプリント列車が主役の座を張った。ロットにカチューシャ、エティックス……。
ラスト500mは上り基調だった。「自分の脚質にぴったり」と考えたのは、コカールだけではなく、サガンも同じだった。だから絶好調カヴェンディッシュの加速に、すかさず反応した。
「今日は僕が勝てると思っていたんだけどな。ちょっと加速を切るタイミングが速すぎたようだね。カヴェンディッシュと一緒にスピードを上げて、同時に勢いが落ちてしまった」(サガン、公式記者会見より)
チーム全員の後押しを得たグライペルも、「普通なら、こういったフィニッシュ地形は僕に向いている」と考えていた。しかし山入り前の最終日に、全てをかけてきた同朋の勢いを、決して上回ることはできなかった。
「最後の数メートルで、力尽きた。ベストを尽くしたけれど、どうしてなのか、力が足りなくなってしまった。ステージ中はずっと調子が良かったから、もしかしたら、最終盤が厳しすぎたのかもしれない。本当に、どうしてなのか、分からない。チームは責任をもってレースを制御してくれた。単に僕の責任なんだ」(グライペル、ゴール後インタビューより)
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