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新城とバルタを飲み込んだプロトンは、予定通り、大集団スプリントへと突進していった。ピレネー突入前にどうしても1勝が欲しいコカールやアンドレ・グライペル、アレクサンドル・クリストフ、マイケル・マシューズが高速で列車を走らせた。しかし、最終ストレートで主導権を握ったのは、すでに1勝済みのマルセル・キッテル擁するエティックス・クイックステップだった。
「最終盤はとにかく大混乱だった。左から、右から、あらゆる選手がなだれ込んできた。僕はキッテルの後輪にどうしても入りたかった。とにかくキッテルの後輪に入るために、必死にポジション争いを繰り広げた」(カヴェンディッシュ、公式記者会見)
しかも大柄なドイツ人の背中を、小柄なカヴは、絶好の風よけとしても利用した。そして、微妙に下り気味のラストストレートで、速めにスピードを上げた。
「ギアを切り替えて、ただ飛び出した。重いギアでフィニッシュラインへと突進した。本当に勝ちたかった。キッテルが背後から競り上がってくるのを感じた」(カヴェンディッシュ、公式記者会見)
どん底から這い上がってきた「世界最速」スプリンターの2人、カヴとキッテルが、またしてもハンドルを投げあった。「旧」のカヴは、「新」のキッテルの追い上げを、決して許さなかった。
「この3年間、彼が僕に対してやってきたことを、僕が彼に対してやってやったのさ」(カヴェンディッシュ、公式記者会見)
今回は数ミリ単位ではなかった。たっぷりとリードをつけて、カヴェンディッシュがこの夏3度目の歓喜に輝いた。マイヨ・ヴェールも取り戻した。なにより「過去の人」という呼び名から完全に脱却し、いまや「史上最高スプリンター」の称号を高らかに誇る。ちなみにカヴの1大会当たり最多ステージ勝利数は、2009年大会の6勝だ。
ピレネー前夜、総合本命たちは揃ってフィニッシュラインを越えた。第5ステージは大いに苦しめられたアルベルト・コンタドールも、この日はさすがに、ライバルから1秒も失わずにすんだ。
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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