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ラスト50kmで1分半あったタイム差は、みるみるうちに縮まった。残り30kmで40秒、25kmで30秒……。自転車レースのセオリーに則れば、「あまりに早い吸収はカウンターアタックを生む」として、小さなタイム差でしばらく逃げは泳がされることが多い。同時に、「逃げ吸収のタイミングはプロトンが決める」とも、自転車界でよく言われること。
そして、この日のプロトンは、ゴール前22kmで2人を飲み込むことに決めた。粘る時間も与えられぬまま、本気で踏む暇もないまま、新城の逃げは終わりを告げた。
「踏む前につかまっちゃった。足を使わずしてゴールした感じ。あっという間でしたよ。のんびりしてたし、楽しみました。ひと汗かきましたね。これから山がやってくるので、また、頑張りたいと思ってます」(新城幸也、ゴール後インタビュー)
ちなみに、予想以上に早く吸収されたものだから、まさか敢闘賞に指名されるとは思ってもいなかったそうだ。「区間勝者が取るかな?」と考えていたら、2012年第4ステージ以来2度目の、赤ゼッケンがやってきた!
つまり人生2度目のツール区間表彰式に臨んだ新城には、その後、秒タイムのスケジュールが待っていた。まずは表彰台裏で、続いてミックスゾーンにて生中継用のインタビュー(確認できただけでもユーロスポーツとRAIがフランス語インタビューを行った)。ミックスゾーンの録画放送用インタビューでは、J SPORTS用の電話インタビュー&ビデオ撮影へ。さらにミニ写真撮影会に、ドーピングコントロール。
それを終えると、ユーロスポーツの生中継トーク番組への、出演が待っていた。リシャール・ヴィランク、ジャッキー・デュラン、ダヴィド・モンクティエ、マリオン・ルスに囲まれて、「プロトン内で最もフランス人に近い日本人」は、堂々とフランス語で受け答えを行った。
締めくくりに、軽く日本メディアとおしゃべりすると、足早にホテルへと帰っていった。翌日から始まるピレネー山越えに備えて、しっかりマッサージ&休養しなければならないのだから。
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