人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

サイクル ロードレース コラム 2016年7月8日

ツール・ド・フランス2016 第6ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
  • Line

再び回りだしたカウンターは、もはや止まらない。マーク・カヴェンディッシュが今大会3勝目をさらい取り、ツール通算29勝目を計上した。ベルナール・イノーの記録を超えただけでは飽き足らず、史上最強の自転車選手、エディ・メルクスの34勝にまた一歩近づいた。2月の大腿骨骨折から驚異的なスピードで回復し、人生6度目のツールに参戦する新城幸也は、初日の落車も乗り越えて……、エスケープの果てに2度目の敢闘賞を祝った。

静かで、風もなく、暑い1日だった。日陰でじっとしているだけでも、ただ汗が流れ落ちた。ノルマンディから走り出した198選手は、いまだ1人も欠けることなく、ピレネーへの移動ステージで淡々ペダルをまわした。総合争いの選手たちにとっては、おとなしく調整に努めるべき1日だった。多くのフランス選手にとっては、夜の大切な一戦——母国で開催中のサッカー欧州選手権で、フランス代表がドイツとの準決勝を控えていた——に向けて、体力温存の時間だったのかもしれない。

そんな中で、新城幸也は、積極的に汗をかきに行った。初日の落車の痛みも、徐々に引いてきた。前日にも軽い落車に巻き込まれ、左親指を改めて痛めたけれど、それ以外に気になる影響はなかった。なにより朝のミーティングで、逃げ役に指名された。「すぐに決まるかな?」「むしろアタック合戦が続くかな?」といろいろ考えた挙句……。

「でも実際は、誰かが行けば、みんなもついて行くだろう、という雰囲気だった。ならば自分から行こう、とアタックをかけた」(新城幸也、ゴール後インタビュー)

しかし、残念ながら、ついてきたのはたったの1人だけ。そのままヤン・バルタと、2人きりの、165kmの長い逃避行を始めた。3つある山岳ポイントのうち、1つは新城が手に入れた。残り2つはそれほどガツガツとは取りにいかなかった。中間ポイントも、特に興味を示さなかった。細かい先頭交代は行わず、それぞれが数キロ単位で延々と先を引く、そんな姿が見られた。

「こんなに自分のペースで、レースを走れる機会なんてめったにないですからね。いつもは他人の走りに引きずられることの方が多いので、いい練習になりました。いや、というか、いい足慣らしになったかな」(新城幸也、ゴール後インタビュー)

後方のメイン集団は、静かに、しかし確実にタイム差制御を行った。真新しい黄色いジャージを守るBMCは、最大5分半のリードしか与えなかった。中間ポイントで激しい前哨戦を繰り広げた後、ラスト50kmを切った頃から、スプリンターチームも集団前方での本格的な牽引作業に取り掛かった。特に2日前に僅差で区間2位に泣いたブライアン・コカールのために、ディレクトエネルジーが、精力的にトレインを組み上げた。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
サイクル ロードレースを応援しよう!

サイクル ロードレースの放送・配信ページへ