【ツール・ド・フランス2016 第11ステージ結果速報】利害一致のサガンとフルームがラスト12kmで集団を置き去り、鮮やかに勝利を攫う

カルカッソンヌを出発したプロトンが、4級山岳2つ越え162.5km先のモンペリエを目指す強風の影響が懸念される平坦ステージ。

フランスチャンピオンジャージ着用のアルテュール・ヴィショ（エフデジ）とリー・ハワード（イアム サイクリング）の2選手が逃げ、2分半から4分程度の差を集団が追う。

レースは序盤からコースアウトを含む落車やパンクが続出、近隣の山は白煙をあげながら燃え、地方風トラモンターヌが選手を常に襲い続けている。細かいカーブの続く吹き曝しの道でティンコフがペースアップ、あっと言う間に分断されティボ・ピノ（エフデジ）ら落車した選手たちが遅れた。

エフデジのアシストたちの牽引で遅れていた後続がジョイント、しかし幾度となく横風を利用した分断作戦が行われ、集団はみるみる疲弊していく。残り61kmで逃げの2選手を吸収、ハイペースのまま中間スプリントポイント、マルセル・キッテル（エティクス・クイックステップ）、ペーター・サガン（ティンコフ）、マーク・カヴェンディッシュ（ディメンションデータ）の順番で通過。

緊張状態の続くプロトンは緩急をつけながら進み続ける。ティンコフやBMC レーシングチームの牽引でペースが上がりきり、一列棒状になったところでサガンがマチェイ・ボドナール（ティンコフ）を連れて飛び出した。これに反応したのがクリス・フルームとゲラント・トーマス（共にチーム スカイ）、スペシャルジャージ着用2選手の利害が一致し、ラスト12kmを4人で逃げに出る。

フルームを追う必要のあったナイロ・キンタナ（モヴィスター チーム）は度重なる分断で既にアシストがいない状態、スプリンターを抱えるエティクス・クイックステップやチーム カチューシャらが猛追するも、時すでに遅し。集団に6秒の差をつけてサガンが区間勝利＆スプリントポイント（50 pts）を、フルームが2着のボーナスタイム（6秒）を獲得した。

「スペシャルな勝利！フルームとトーマスがやってきたので“自分たちは強いから逃げ切れる！行こうぜ！”と言ったんだ。風が強いから集団でのゴールは危ないと思ったんだ、逃げてのゴールは安全で素晴らしい展開になった」（サガン、勝利後インタビューより）

第11ステージ結果

１　ペーター・サガン（ティンコフ／スロバキア）in 03h 26' 23''
２　クリス・フルーム（チーム スカイ／イギリス）at 00' 00''
３　マチェイ・ボドナール（ティンコフ／ポーランド）at 00' 00''
４　アレクサンドル・クリストフ（チーム カチューシャ／ノルウェー）at 00' 06''
５　クリストフ・ラポルテ（コフィディス、ソリュシオンクレディ／フランス）at 00' 06''
６　ジャスパー・ストゥイヴェン（トレック・セガフレード／ベルギー）at 00' 06''
７　エドヴァルド・ボアッソンハーゲン（ディメンションデータ／ノルウェー）at 00' 06''
８　アンドレ・グライペル（ロット・ソウダル／ドイツ）at 00' 06''
９　ソンドレ・ホルストエンゲル（イアム サイクリング／ノルウェー）at 00' 06''
10　オリヴル・ナーセン（イアム サイクリング／ベルギー）at 00' 06''
・・・
15　アダム・イェーツ（オリカ・バイクエクスチェンジ／イギリス）at 00' 06''
16　ロマン・クロイツィゲル（ティンコフ／チェコ）at 00' 06''
17　ナイロ・キンタナ（モヴィスター チーム／コロンビア）at 00' 06''
22　ファビオ・アル（アスタナ プロチーム／イタリア）at 00' 06''
24　ティージェイ・ヴァンガーデレン（BMC レーシングチーム／アメリカ）at 00' 06''
27　リッチー・ポート（BMC レーシングチーム／オーストラリア）at 00' 06''
29　ロメン・バルデ（アージェードゥゼール・ラ・モンディアル／フランス）at 00' 06''
35　ダニエル・マーティン（エティクス・クイックステップ／アイルランド）at 00' 06''
179　新城 幸也（ランプレ・メリダ／日本）at 05' 39''

個人総合順位

１　クリス・フルーム（チーム スカイ／イギリス）in 52h 34' 37''
２　アダム・イェーツ（オリカ・バイクエクスチェンジ／イギリス）at 00' 28''
３　ダニエル・マーティン（エティクス・クイックステップ／アイルランド）at 00' 31''
４　ナイロ・キンタナ（モヴィスター チーム／コロンビア）at 00' 35''
５　バウク・モレマ（トレック・セガフレード／オランダ）at 00' 56''
６　ロメン・バルデ（アージェードゥゼール・ラ・モンディアル／フランス）at 00' 56''
７　セルジオルイス・エナオモントーヤ（チーム スカイ／コロンビア）at 00' 56''
８　アレハンドロ・バルベルデ（モヴィスター チーム／スペイン）at 01' 13''
９　ティージェイ・ヴァンガーデレン（BMC レーシングチーム／アメリカ）at 01' 13''
10　ロマン・クロイツィゲル（ティンコフ／チェコ）at 01' 28''
・・・
11　ファビオ・アル（アスタナ プロチーム／イタリア）at 01' 35''
14　リッチー・ポート（BMC レーシングチーム／オーストラリア）at 02' 22''
28　ティボ・ピノ（エフデジ／フランス）at 19' 35''
131 新城 幸也（ランプレ・メリダ／日本）at 01h 43' 25''

ポイント賞

１　ペーター・サガン（ティンコフ／スロバキア）309 pts
２　マーク・カヴェンディッシュ（ディメンションデータ／イギリス）219 pts
３　マルセル・キッテル（エティクス・クイックステップ／ドイツ）202 pts

山岳賞

１　ティボ・ピノ（エフデジ／フランス）80 pts
２　ラファル・マイカ（ティンコフ／ポーランド）77 pts
３　トム・デュムラン（チーム ジャイアント・アルペシン／オランダ）58 pts

新人賞

１　アダム・イェーツ（オリカ・バイクエクスチェンジ／イギリス）in 52h 35' 05''
２　ルイ・メインチェス（ランプレ・メリダ／南アフリカ）at 01' 42''
３　ワレン・バルギル（チーム ジャイアント・アルペシン／フランス）at 02' 35''

チーム総合順位

１　BMC レーシングチーム （アメリカ）in 157h 33' 00''
２　モヴィスター チーム（スペイン）at 06' 34''
３　チーム スカイ（イギリス）at 08' 44''

総合敢闘賞

129　アルテュール・ヴィショ（エフデジ／フランス）

第11ステージのリタイア

なし