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サイクル ロードレース コラム 2016年7月18日

ツール・ド・フランス2016 第15ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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焼け付くような太陽の下で、前と後ろの、ふたつのレースが繰り広げられた。30人の巨大な逃げ集団は、最後には2人になってフィニッシュラインへ飛び込んできた。スプリントでハリンソン・パンタノが初めてのツール区間勝利を手に入れ、精力的に加速を繰り返したラファル・マイカは山岳ジャージ奪還で満足するしかなかった。総合勢からは軽いジャブを繰り出した選手もいたが、結局のところ、誰一人としてスカイのかけた閂をぶち壊すことはできなかった。ほぼ全員が引き分けで1日を終えた。

前方のレースは、マイカこそが、間違いなく中心人物だった。スタートから20km過ぎの1級峠で、真っ先に飛び出すと、勢いよく先頭で駆け上がっていったのだ。なにしろ2014年に山岳賞を持ち帰ったヒルクライマーは、赤玉ジャージにほんの13ポイント足りなかった。もちろん6つの難峠が一気に登場するこの日は、大逃げ=ポイント収集の旅におあつらえ向けだ。こうして得意の山の脚を思う存分発揮すると、1つ目の山からさっそく満点10ptを懐に入れた。

山を下るころには、逃げ集団は30人にまで膨らんでいた。マイカにとっては、決して心穏やかな状況ではなかったはずだ。山岳賞3位のダニエル・ナバーロ、4位トム・デュムラン、6位セルジュ・パウエルス、7位スタフ・クレメントと、うっかりすると危険人物になりかねない選手たちもグループに滑り込んでいたからだ。

特にパウエルスは3つ目と4つ目の3級山岳で、マイカにタイマンを張ってきた。アンドラで山頂フィニッシュを制したデュムランは、超級手前の小さな登りを利用して、独走態勢に持ち込もうとさえした。またヴィンチェンツォ・ニーバリやドメニコ・ポッツォヴィーボ、パンタノという山岳巧者も、先へと突進した。しかし抜け駆けの企みは、全て上手く握りつぶした。あまりに大きすぎた先頭集団も、13人にまで絞り込んだ。

超級のグラン・コロンビエでは、イルヌール・ザカリンが最初に仕掛けた。今ジロ最終盤、ダウンヒル中の落車負傷で……総合5位のままリタイアしたロシア人に、最終的な今ジロ総合5位のマイカはすかさず飛び乗った。どうやらザカリンは山岳賞には興味がなかったから、争わずして超級の満点25ptも手につかんだ。

上りも難しいけれど、グラン・コロンビエは、テクニカルな下りでも有名だ。そんな細く曲がりくねった危険な道を利用して、ジュリアン・アラフィリップとパンタノはまんまとマイカ&ザカリン先頭に追いついた。それどころかアラフィリップは、ひとりでどんどん先へと行ってしまった!

ところが、すぐに、フレンチパンチャーが道端に立ち止まっている姿が目撃される。チェーンの調子がおかしく、ついには完全に外れてしまったのだ。

「前で戦えて満足してる。でも、些細な問題で足止めを食らったことには、がっかりしているんだ。だって本当に全力を尽くしたし、最終盤の地形は僕にぴったりのはずだったから」(アラフィリップ、ゴール後TVインタビュー)

フランス人による今大会初ステージ勝利の希望は消え去り、また、ロシア人による優勝の可能性も吹き飛んだ。ザカリンはいつの間にか、先頭集団から姿を消していた。原因はどうやらメカトラブルのせいでも、ジロ落車によるトラウマでもなかった。

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