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「僕自身は2位だと思っていたんだ。だから僕が勝ったと聞かされて、信じられないような気分だった。フォトフィニッシュを見れば一目瞭然だと思うけど、この程度の、タイヤの厚みくらいの僅差で、僕は何度も負けているからね」(サガン、公式記者会見)
言われた通りに写真を見てみると、むしろ、両者の体勢の違いに気が付くだろう。緑色のジャージが思いっきり両腕を伸ばし、いわゆる「ハンドルを投げる」ポジションを取っているのに対して、赤いジャージは両腕を体に引き付けて、上体はいまだ起き上がったまま。しかも腰を浮かしたダンシングスタイルで、ペダルを踏んでいる。
「今日のアレクサンドルはラインに身を投げ出すのが遅すぎた。僕の方が早かった。身を投げ出すには、バイクを前方に押し出さなきゃならないのに、まさにそうすべき瞬間に、彼はバイクを手前に引き付けていたんだ。前方ではなくね」(サガン、公式記者会見)
「ラスト100mでスプリントを切った。僕の後輪に入り込んでいたサガンが、上がってくるのを感じた。そしてラスト15m、サガンがハンドルを投げた。あれが彼の勝利を決めたんだ。僕はあまりにも自分のスプリントに満足して、フィニッシュラインの位置をしっかり見ていなかった。ハンドルを投げなかったせいで、勝利を失った」(クリストフ、ゴール後インタビュー)
過去2年は1区間も勝てなかった現役世界チャンピオンが、2014年大会で2勝したノルウェー人を退けた。第2、11ステージに続く勝利をもぎ取って、ツール初参加の2012年と同じ大会3勝目を計上した。果たして再浮上のきっかけは何だったのだろうか?走り方が変わった?それとも、経験のたまもの?……こんな質問に、サガンはこう答えた。
「僕は何も変わっていない。これは、運命なのさ」(サガン、公式記者会見)
昨秋に結婚したカタリナ夫人の言葉を借りれば、「ポジティヴなカルマ(業)が戻ってきたのよ」(フランスTVインタビューより)とのこと。
元世界チャンピオンというだけでなく、元五輪金メダリストでもあるカンチェラーラは、区間6位で、人生最後の地元ステージを終えた。パリまで走り続けるか、という質問には「休養日にゆっくり考えたい」とはぐらかした。ただ、きっぱりと、「いまだに大きな目標を追いかける身であること」を、宣言した。
「今日はワインで盛大にお祝いなんかはしない。だって僕にはまだ、この先に、極めて大切な大会が控えているからね。でも……すごく暑かったから、お祝いするなら、むしろベルギーのビールだね!」(カンチェラーラ、ゴール後TVインタビュー)
サガンとクリストフの前にツール・デ・フランドルを勝ったのは、たしかにカンチェラーラだった。ひとつの時代の終わりを感じながら、ツール一行は大会2回目の休息日を迎えた。
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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