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サイクル ロードレース コラム 2016年7月21日

ツール・ド・フランス2016 第17ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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このフォルクラの下りで、先頭はさらに2人に絞り込まれる。真っ先にダウンヒルへと飛び込んだマイカに、ハリンソン・パンタノが共鳴したからだ。いや、むしろ第15ステージと同じように、コロンビア人こそが見事なダウンヒルテクニックを発揮した。3日前は、マイカが上りで2度突き放し、パンタノが2度下りで追いついた。勝負の行方は一騎打ちスプリントに持ち込まれ、パンタノに軍配が上がった--。

ただし、今回は、下りフィニッシュではないのだ。だから当然、レース展開は異なる方向へと進んでいった。3日前に両者と共に先頭を走りながら、「コンタクトレンズがずれた」という理由で下りで千切れたザカリンは、この日もやっぱり下りでは遅れた。ところが、最終峠を上り始めて、ほんの1.5kmほどで、ロシアンクライマーがまんまと前を行く2人を捕らえた。それどころか、さらに2kmほど先で、あっさり両者を振り切った。ザカリンが単独で先頭に立った。

ここはブエルタか……と錯覚を覚えるほどの、ひどく細くて急な坂道が、最終峠には待ち受けていた。それでも、上り詰める価値ある山だった。ラスト3kmのヘアピンカーブを抜けると、モン・ブランの白く崇高な姿が、感動的なほどにはっきりと見える。どん詰まりのその先には、白濁した青緑の湖が隠されていた。第103回目のツールが史上初めて訪れたエモッソンダムに向けて、ザカリンは夢中で上り続けた。

「ジロでの落車リタイアは、本当にがっかりしたんだ。だって表彰台を狙っていたのに、大会も残すところあと数日、というところで全てを失ってしまったんだから。すごく辛かった」(ザカリン、公式記者会見)

最終日前々日にチーマ・コッピの下りで落車し、肩甲骨と鎖骨を折った。人生2度目のグランツール出場で、総合5位と大健闘していたというのに、全てが一瞬で水の泡となった。事故翌日に区間を制したチームメート、レイン・タラマエの証言によれば、事故当夜にはすでに、チームメートたちに冗談を飛ばすほどまでに気持ちは回復していたようだが……。

「正直に言うと、精神的な面では、事故の2日後には再び自転車に乗る準備ができていたんだ。モチベーションはすごく大きかった。だから可能になるとすぐに、トレーニングを開始した。好調の波をツールの3週目に持ってこられるよう、ベストを尽くした」(ザカリン、公式記者会見)

1週目はボトル運びや、スプリントエースのための仕事を買って出た。そして、目標としていたツール3週目の、最初の日に、大きな栄光をつかんだ。ツール・ド・フランスには初出場で、だから初めての区間優勝だった!

「ツールはシーズンで最も重要なレースだ。いつの日か、1度は表彰台に上がりたいと夢見ているんだ」(ザカリン、公式記者会見)

ロシアの26歳がいつの日か……と夢見る場所を、後方のメイン集団は真剣に争っていた。マイヨ・ジョーヌ擁するスカイ列車に、真っ先に割って入ったのはアスタナだった。すでに3つのグランツールでそれぞれに優勝を手にしているヴィンチェンツォ・ニーバリが、後輩ファビオ・アルのために高速でリズムを刻んだ。また3つのグランツールでそれぞれに表彰台に上った経験を持つアレハンドロ・バルベルデは、やはり後輩ナイロ・キンタナのために、数度のアタックで集団をかく乱した。

しかし、いずれの陣営も、フルームの本気を引き出すことはできなかった。マイヨ・ジョーヌはただ黒い隊列を信頼し続けるだけでよかった。驚異的な山岳アシストのワウテル・ポエルスが、たいていの謀反人はしっかりと回収してくれたから。

「他のチームと僕のチーム違いは、8人のチームメート全員が、同じ目標を抱いていること。他のチームはたいていスプリンターがいて、総合狙いがいて、しかも他の選手は逃げに乗ったりすることもできる。僕らのチームは9人全員が、完全に、ツールの総合優勝だけに全力を捧げている」(フルーム、公式記者会見)

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