【ツール・ド・フランス2016 第19ステージ結果速報】バルデがフランスに歓喜をもたらす！フルーム、モレマの落車で総合が大きく変動

アルプス3日目は1992年に冬季オリンピックが行われたアルベールビルを出発し、サン・ジェルヴェ・モンブランまでの146kmを目指す、最重要かつ最難関ステージ。

0kmアタックは容認され、山岳ポイント収集に飛び出たトーマス・デヘント（ロット・ソウダル）にラファル・マイカ（ティンコフ）が反応、ステージ勝利の欲しいピエール・ローラン（キャノンデール・ドラパックプロサイクリングチーム）やアレクシス・ヴュイエルモーズ（アージェードゥゼール・ラ・モンディアル）ら20人で逃げのグループが形成された。

メイン集団はアスタナ プロチームがタイム差3分程度で終始コントロール、登りで遅れる選手は出るものの下りで追いついている。逃げではデヘント、マイカの順で1級山岳、2級山岳を通過。超級山岳の手前でトム・デュムラン（チーム ジャイアント・アルペシン）が落車し左手首を骨折、リタイアしている。

超級でマイカの山岳賞を確定させたいティンコフはロベルト・キセロフスキーの牽引で山頂を目指す、ときどきハリンソン・パンタノ（イアム サイクリング）が先頭交代、メイン集団ではルイスレオン・サンチェス（アスタナ プロチーム）がペースアップをし、アダム・イェーツ（オリカ・バイクエクスチェンジ）が最後尾で遅れたり追いついたりを繰り返している。力尽きたデヘントはタイム差1分まで縮まったメイン集団に吸収された。

実質40km続く長い下りでピエール・ローランが抜け出しルイ・コスタが合流。2人で共闘し逃げるものの、雨で濡れた路面の滑りやすいカーブでローランが落車、ルイ・コスタは独走となった。メイン集団ではスティーブ・モラビートとセバスティアン・レイヘンバッハ（共にエフデジ）が落車、リッチー・ポート（BMC レーシングチーム）が立ち往生して集団から取り残された。

ポートのアシストが4人降りてきて、集団へ引き上げる中、オリカ・バイクエクスチェンジがペースアップをはかる。追走ではダニエル・ナバーロ（コフィディス、ソリュシオンクレディ）がルイ・コスタを追うものの落車、即リタイアしている。バウク・モレマ（トレック・セガフレード）もラウンドアバウトで落車し集団から遅れたが、ポートは無事に追いついた。

クリス・フルームが白線で滑り落車し、ゲラント・トーマス（共にチーム スカイ）のバイクに乗り換え走り出す。ロメン・バルデが先行していたミカエル・シェレル（共にアージェードゥゼール・ラ・モンディアル）に追いつき、そのまま集団から抜け出した。

フルームはメイン集団に合流したものの、モレマは1分以上遅れている。最後の1級山岳でバルデはこの日敢闘賞のルイ・コスタに追いついた、後ろとのタイム差は40秒程度。ラスト4km、メイン集団はポートのアタックで戦いの火蓋が切って落とされ、セルジオルイス・エナオモントーヤ（チーム スカイ）のチェック、ナイロ・キンタナ（モヴィスター チーム）のカウンター。集団を牽引していたダミアーノ・カルーゾ（BMC レーシングチーム）が力尽きるとダニエル・マーティン（エティクス・クイックステップ）のアタック、ポート、キンタナも再三揺さぶりをかける。

ラスト3.2kmでバルデがルイ・コスタを置き去りにし独走を開始、そのままフラムルージュを越え、今大会初のフランス人勝利。総合順位も5位から2位まで大きくジャンプアップをした。

ホアキン・ロドリゲス（チーム カチューシャ）がダニエル・マーティンに追いつき、ワウテル・ポエルス（チーム スカイ）がフタをするもキンタナとポートが幾度となくペースアップ。フルームがついて行けなくなり、ファビオ・アル（アスタナ プロチーム）もアタック。イェーツは遅れているものの、集団の後ろでちぎれないでついていく。

アレハンドロ・バルベルデ（モヴィスター チーム）の牽引でペースが上がるとポートがついていけなくなった。フルームはバルデから36秒後にポエルスに守られながら、ポートは53秒後、イェーツは56秒後、モレマは4分26秒後にフィニッシュ。総合順位1位、2位、3位がタイムを失う結果となった。

「雲の上にいる気分だよ！今日は本能で行ったんだ、ミカ（シェレル）がルイ・コスタのところまで引っ張ってくれた。総合を意識していたんだけれどステージ優勝できて素晴らしい気分だ！」（バルデ、ツール公式サイトより）

「白線に滑って落車してしまった、バイクを貸してくれたゲラント（トーマス）や最後までサポートしてくれたチームメイトに感謝している。明日は難しいけれど、最後の努力をするよ」（フルーム、公式サイトより）

「今日は最初の、悪い日だったよ...」（イェーツ、ツール公式サイトより）

第19ステージ結果

１　ロメン・バルデ（アージェードゥゼール・ラ・モンディアル／フランス）in 04h 14' 08''
２　ホアキン・ロドリゲス（チーム カチューシャ／スペイン）at 00' 23''
３　アレハンドロ・バルベルデ（モヴィスター チーム／スペイン）at 00' 23''
４　ルイ・メインチェス（ランプレ・メリダ／南アフリカ）at 00' 23''
５　ナイロ・キンタナ（モヴィスター チーム／コロンビア）at 00' 26''
６　ファビオ・アル（アスタナ プロチーム／イタリア）at 00' 28''
７　ダニエル・マーティン（エティクス・クイックステップ／アイルランド）at 00' 28''
８　ワウテル・ポエルス（チーム スカイ／オランダ）at 00' 36''
９　クリス・フルーム（チーム スカイ／イギリス）at 00' 36''
10　リッチー・ポート（BMC レーシングチーム／オーストラリア）at 00' 53''
・・・
13　アダム・イェーツ（オリカ・バイクエクスチェンジ／イギリス）at 00' 56''
23　バウク・モレマ（トレック・セガフレード／オランダ）at 04' 26''
166 新城 幸也（ランプレ・メリダ／日本）at 31' 28''

個人総合順位

１　クリス・フルーム（チーム スカイ／イギリス）in 82h 10' 37''
２　ロメン・バルデ（アージェードゥゼール・ラ・モンディアル／フランス）at 04' 11''
３　ナイロ・キンタナ（モヴィスター チーム／コロンビア）at 04' 27''
４　アダム・イェーツ（オリカ・バイクエクスチェンジ／イギリス）at 04' 46''
５　リッチー・ポート（BMC レーシングチーム／オーストラリア）at 05' 17''
６　ファビオ・アル（アスタナ プロチーム／イタリア）at 06' 00''
７　アレハンドロ・バルベルデ（モヴィスター チーム／スペイン）at 06' 20''
８　ルイ・メインチェス（ランプレ・メリダ／南アフリカ）at 07' 02''
９　ダニエル・マーティン（エティクス・クイックステップ／アイルランド）at 07' 10''
10　バウク・モレマ（トレック・セガフレード／オランダ）at 07' 42''
・・・
117 新城 幸也（ランプレ・メリダ／日本）at 03h 31' 16''

ポイント賞

１　ペーター・サガン（ティンコフ／スロバキア）425 pts
２　マルセル・キッテル（エティクス・クイックステップ／ドイツ）228 pts
３　マイケル・マシューズ（オリカ・バイクエクスチェンジ／オーストラリア）163 pts

山岳賞

１　ラファル・マイカ（ティンコフ／ポーランド）209 pts
２　トーマス・デヘント（ロット・ソウダル／ベルギー）105 pts
３　ハリンソン・パンタノ（イアム サイクリング／コロンビア）81 pts

新人賞

１　アダム・イェーツ（オリカ・バイクエクスチェンジ／イギリス）in 82h 15' 23''
２　ルイ・メインチェス（ランプレ・メリダ／南アフリカ）at 02' 16''
３　ワレン・バルギル（チーム ジャイアント・アルペシン／フランス）at 31' 49''

チーム総合順位

１　モヴィスター チーム（スペイン）in 246h 42' 40''
２　チーム スカイ（イギリス）at 03' 46''
３　BMC レーシングチーム （アメリカ）at 30' 36''

敢闘賞

151　ルイ・コスタ（ランプレ・メリダ／ポルトガル）

第19ステージのリタイア

191　ダニエル・ナバーロ（ティンコフ／スロバキア）
114　トム・デュムラン（チーム ジャイアント・アルペシン／オランダ）