人気ランキング
J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題
コラム&ブログ一覧
クリス・フルームにとっては、人生3度目の大きな達成だった。チームメート8人と横一列に肩を組みあい、ツール史上7人目の3勝選手となった、まさにその瞬間を一緒に味わった。
「素敵な気分だ。すでに2度勝っているからと言って、シャンゼリゼを走りながら溢れてくる感動は変わらない。チームメートたちは毎日空っぽになるまで働いてくれた。だから、これがチームスポーツであり、みんながチームのために働いてきたこと……をフィニッシュラインで見せることが重要だったんだ」(フルーム、ゴール後TVインタビュー)
ペーター・サガンは5年連続のポイント賞を、ラファル・マイカはキャリア2度目の山岳賞を、そしてアダム・イェーツは生まれて初めての新人賞をそれぞれ持ち帰った。ナイロ・キンタナは、またしてもマイヨ・ジョーヌ獲得に失敗し、しかも初めて「フルームの次点」の地位も逃した。ただ総合3位と、チーム総合首位で、満足するしかなかった。
そしてもちろん、表彰台の上から2番目の場所には、フランス人のロメン・バルデの姿があった。1985年にツール・ド・フランスを勝ち取ったベルナール・イノーは、相変わらず、「フランス人最後の勝者」という称号を捨てられないままだ。しかしツール5勝のアナグマが、ジャージ授与係から引退するこの年に、大会の母国は小さな希望を見つけた。
「とてつもない喜びを感じている。全てがパーフェクトに進んだ。過去のツールでは、大会終了時に、小さなフラストレーションを抱いたものだけれど、今年はそれが一切ない。ただこの瞬間を心から味わって、記憶に刻みつけるだけ」(バルデ、ゴール後TVインタビュー)
厳重な警戒態勢が敷かれたパリで、幸いにも何の問題も起こらず、平和に2016年ツール・ド・フランスは幕を閉じた。フルームは表彰台の上から、妻ミシェルさんと愛息ケレン君に勝利を捧げた後、テロ犠牲者に哀悼の意を示し、ツールへの変わらぬ愛を表明した。そして最後には、フランス語で、フランスの観客に語りかけた。
「このような難しい時であるにも関わらず、あなた方がくれた優しさに感謝します。この国には、世界で一番美しい自転車レースがあるのです。そしてこのマイヨ・ジョーヌを身にまとうことは、僕にとって大きな名誉です。ツール万歳!フランス万歳!」(フルーム、優勝者スピーチ)
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
あわせて読みたい
J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題
ジャンル一覧
人気ランキング(オンデマンド番組)
-
Cycle*2024 ボルタ・ア・カタルーニャ 第6ステージ
3月23日 午後10:30〜
-
Cycle*2024 ボルタ・ア・カタルーニャ 第5ステージ
3月22日 午後11:55〜
-
Cycle*2024 ボルタ・ア・カタルーニャ 第4ステージ
3月21日 午後11:00〜
-
Cycle*2024 ボルタ・ア・カタルーニャ 第7ステージ
3月24日 午後8:25〜
-
Cycle*2024 ボルタ・ア・カタルーニャ 第3ステージ
3月20日 午後11:00〜
-
Cycle*2024 ボルタ・ア・カタルーニャ 第2ステージ
3月19日 午後11:00〜
-
Cycle*2024 月チャリ~#jspocycle NEWS~ (03/25)
3月25日 午後7:00〜
-
3月16日 午後9:30〜
J SPORTSで
サイクル ロードレースを応援しよう!