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サイクル ロードレース コラム 2016年7月25日

ツール・ド・フランス2016 第21ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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クリス・フルームにとっては、人生3度目の大きな達成だった。チームメート8人と横一列に肩を組みあい、ツール史上7人目の3勝選手となった、まさにその瞬間を一緒に味わった。

「素敵な気分だ。すでに2度勝っているからと言って、シャンゼリゼを走りながら溢れてくる感動は変わらない。チームメートたちは毎日空っぽになるまで働いてくれた。だから、これがチームスポーツであり、みんながチームのために働いてきたこと……をフィニッシュラインで見せることが重要だったんだ」(フルーム、ゴール後TVインタビュー)

ペーター・サガンは5年連続のポイント賞を、ラファル・マイカはキャリア2度目の山岳賞を、そしてアダム・イェーツは生まれて初めての新人賞をそれぞれ持ち帰った。ナイロ・キンタナは、またしてもマイヨ・ジョーヌ獲得に失敗し、しかも初めて「フルームの次点」の地位も逃した。ただ総合3位と、チーム総合首位で、満足するしかなかった。

そしてもちろん、表彰台の上から2番目の場所には、フランス人のロメン・バルデの姿があった。1985年にツール・ド・フランスを勝ち取ったベルナール・イノーは、相変わらず、「フランス人最後の勝者」という称号を捨てられないままだ。しかしツール5勝のアナグマが、ジャージ授与係から引退するこの年に、大会の母国は小さな希望を見つけた。

「とてつもない喜びを感じている。全てがパーフェクトに進んだ。過去のツールでは、大会終了時に、小さなフラストレーションを抱いたものだけれど、今年はそれが一切ない。ただこの瞬間を心から味わって、記憶に刻みつけるだけ」(バルデ、ゴール後TVインタビュー)

厳重な警戒態勢が敷かれたパリで、幸いにも何の問題も起こらず、平和に2016年ツール・ド・フランスは幕を閉じた。フルームは表彰台の上から、妻ミシェルさんと愛息ケレン君に勝利を捧げた後、テロ犠牲者に哀悼の意を示し、ツールへの変わらぬ愛を表明した。そして最後には、フランス語で、フランスの観客に語りかけた。

「このような難しい時であるにも関わらず、あなた方がくれた優しさに感謝します。この国には、世界で一番美しい自転車レースがあるのです。そしてこのマイヨ・ジョーヌを身にまとうことは、僕にとって大きな名誉です。ツール万歳!フランス万歳!」(フルーム、優勝者スピーチ)

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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