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サイクル ロードレース コラム 2016年8月19日

ブエルタ・ア・エスパーニャ2016 プレビュー

サイクルNEWS by 寺尾 真紀
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今年のブエルタにも、多くのトップ選手が出場する。

残念ながら、昨年ブエルタの表彰台に乗った3選手(ファビオ・アル、ホアキン・ロドリゲス、ラファル・マイカ)は不在となるが、4大グランツールレーサー、通称「ファンタスティック・フォー」からはヴィンチェンツォ・ニバリを除く3人が出場する。

アルベルト・コンタドール(ティンコフ・サクソ)
もともとは今年限りでの引退を決めていたが、翻意し、あと2シーズンの現役続行を表明。7月のツールでは初日から落車に見舞われ、1回目の休息日を待たずに第9ステージでリタイア。ワンデーレースのクラシカ・サンセバスティアンでレースに復帰し、8月に行われたブエルタ・ア・ブルゴス(ブルゴス一周レース)では総合優勝している。現在ブエルタ最多総合優勝記録はロベルト・エラス(2000、2003、2004、2005)の4回だが、もしコンタドールがブエルタで総合優勝を挙げれば、この記録に並ぶことになる。

ナイロアレクサンドル・キンタナ(モビスター)
今年はカタルーニャ一周でコンタドールを破り総合優勝、ツール・ド・ロマンディではフルームをおさえて総合優勝。ルート・ド・シュッドでも総合優勝を挙げ、ここでは個人TTで初優勝も上げた。満を持して出場したツールだったが、2週目以降、原因不明の不調(アレルギーが原因だったのではないかとするチーム発表もあったが)により、山岳で持ち前の強さを発揮することがなかった。それでもツールでは3年連続の総合表彰台という結果は、彼の底力を示している。パンターニにささげられた、クライマー向けの2014年ジロでチャンピオンとなったコロンビア人は、今年最後のグランツールでどんな走りを見せてくれるだろうか。

クリス・フルーム(チーム・スカイ)
今年、3回目のツール・ド・フランス総合優勝を達成した。チーム・スカイのエース、ブラッドリー・ウィギンスのアシストとして出場した、2011年ブエルタは、フルームが初めてのグランツール区間優勝を挙げ、また、ウィギンスに代わり、スペインのホアン・ホセ・コボと首位を争い総合2位を獲得するという、まさに彼にとってのブレークスルーの瞬間となった。2014年のブエルタでは再び総合2位に入っているが、総合優勝はまだ実現していない。ツールに続いて出場したリオ五輪ロード種目では銅メダルを獲得している。昨年のブエルタは足首の骨折でリタイアを余儀なくされたが、今年、ツール・ブエルタのダブル総合優勝は実現するだろうか。

キンタナがエースではあるが、チームメートのアレハンドロ・バルベルデ(モビスタ)も、5月のジロで区間1勝・総合3位、キンタナとともに出場したツールも総合6位で終えており、直前のクラシカ・サンセバスティアンで3位に入るなど、総合上位での活躍が期待できる。フレーシュ・ワロンヌで2連覇を達成し、カスティーリャ・レオン一周で総合優勝した前半戦から好調を維持しており、ここ数年を通して、プロトンでもっとも安定して好成績を残す選手の一人と言える。

他にもアンドリュー・タランスキー(キャノンデール・ドラパック)、サムエル・サンチェスとティージェイ・ヴァンガードレン(BMCレーシング)らなどの活躍が期待できる。

一方若手選手では、5月のジロで活躍した2人がブエルタに出場する。ジロで区間1勝を挙げ、総合2位に入ったエステバン・チャベス(オリカ・バイクエクスチェンジ)と、ジロ第19ステージの下りで落車し、マリア・ローザを失ったスティーヴン・クライスヴァイク(ロットNL・ユンボ、ジロ最終成績は総合4位)も、ブエルタに出場する。チャベスは昨年のブエルタで区間2勝を挙げ総合5位に入っているが、クライスヴァイクは2011年の初出場以来2度目の出場となる。

今年6月のツール・ド・スイスで総合優勝したアスタナのミゲル・アンヘル・ロペス(アスタナ)、ぜんそく治療薬のTUE(治療使用特例)の申請に不備があり、4か月の出場停止処分となり、レース復帰直後のブルゴス一周で総合4位のサイモン・イェーツ、(オリカ・バイクエクスチェンジ)、ツール総合8位のルイス・メインチェス(ランプレ・メリダ)らも注目の選手。

日本からは新城幸也(ランプレ・メリダ)と別府史之(トレック・セガフレード)が出場する。新城は、今年6回目のツールに出場し、第6ステージではステージのカギとなる逃げに乗り、キャリア2度目の敢闘賞を獲得。8月、日本代表として出場したリオ五輪ロード種目では27位に入賞している。ブエルタの出場は昨年に続く2回目で、自身にとって10戦目のグランツール出場となる。別府は今年、アルデンヌ・クラシックに出場したほか、パリ〜ニース、ツール・ド・ロマンディ、クリテリウム・ドュ・ドーフィネ、ツール・ド・ポローニなどに出場。ブエルタ・ア・エスパーニャは初出場。ツール(2009)、ジロ(2011、2012、2014、2015)に続き、自身6度目のグランツール出場となる。日本のファンにとって、わくわくの3週間になりそうだ。

代替画像

寺尾 真紀

東京生まれ。オックスフォード大学クライストチャーチ・カレッジ卒業。実験心理学専攻。デンマーク大使館在籍中、2010年春のティレーノ・アドリアティコからロードレースの取材をスタートした。ツールはこれまで5回取材を行っている。UCI選手代理人資格保持。趣味は読書。Twitter @makiterao

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