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サイクル ロードレース コラム 2016年8月23日

ブエルタ・ア・エスパーニャ2016 第3ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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グランツール開幕わずか3日目に、ステージ序盤からの逃げが決まった。ブエルタ・ア・エスパーニャでは、2011年の第3ステージで、パブロ・ラストラスが大逃げ勝利をつかみ取って以来の、極めて珍しい現象だった。独走を決めたアレクサンドル・ジェニエがガッツポーズを握りしめた背後では、メイン集団のルーベン・フェルナンデスが、両手を天に突き上げてマイヨ・ロホ獲りを成功させた。直後にはアレハンドロ・バルベルデ、クリス・フルーム、エステバン・チャベスが揃って力強く1日を終え、アルベルト・コンタドールは新たにタイムを失った。

スタートから15kmほど走った先で、7選手がまんまと逃げ出した。ジェローム・クザン、サイモン・ペロー、ダビ・アローヨ、ガティス・スムクリスがまずは飛び出し、しばらく先でジェニエ、リュトガー・ゼーリッヒ、ピーター・シェリーが合流した。メイン集団からはあっさり7分近いリードが許された。マイヨ・ロホのミハウ・クフィアトコフスキーと、3週間後のマイヨ・ロホ候補クリス・フルームを擁するスカイは、極めて淡々と集団制御に努めた。

行く手には2つの山岳と、激坂フィニッシュが待ち受けていた。ゴール前約60km、1つ目の山頂をさらいとった勢いそのまま、ペローが独走態勢に突入する。前ステージ終了時点でわずか総合1分13秒遅れの23歳は、どうやら「暫定」マイヨ・ロホの名誉だけでは満足できなかった。なにしろ所属チームのIAMは数か月後に解散するというのに、生粋のスイス人は、いまだ来季の行く先を見つけられていない。直前のツアー・オブ・ユタでも、幾度となく「就活」アタックを繰り返した。明るい来季を追い求めて、ペローはこの日も夢中でペダルを回した。

一方のジェニエは慌てなかった。逃げ切り勝利を手に入れようと、心に固く誓っていたからだ。だから前日の平坦ステージでも、タイム喪失などお構いなく、ひたすらエネルギー温存だけに努めた。この日も体力配分に注意しながら、逃げの友シェリーとできる限り協力体制を取った。後方メイン集団の動向をうかがいつつ、執拗に追走を続けた。ゴール前22km、2つ目の山頂手前で、ついに孤軍奮闘を続けるペローを捕らえた。

3人になった逃げ集団は、ラスト10kmに迫っても、いまだ4分近いタイム差を保っていた。なかなかリズムを上げようとしないスカイに、ついにしびれを切らしたモビスターやオリカ・バイクエクスチェンジが、急激なスピードアップを試みた。しかし、時すでに遅し。ステージを締めくくる激坂の麓に、3人はきっかり2分リードでたどり着いた。残すはたったの1.8km。たとえ目の前に立ちはだかるのが、平均13.8%、最大勾配29%という恐ろしい壁だったとしても......!

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