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ゴール前19km、フライレはついに捕らえられた。吸収と同時に、代わってフランクが賭けに出た。2年前、総合リーダーとして母国のチームIAMに迎え入れられながらも、2014年ツール・ド・スイス総合2位以上の成績をもたらすことはできなかった。今季末限りでチームは消滅し、来季からはAg2rでロマン・バルデの山岳アシスト役を務める。つまり、29歳のルーラー・クライマーが自分のために走れる機会は、この先そう多くは巡ってこない……。だから単独先頭でペダルを回す脚に、夢中で力を込めた。
しかし、後方との差は、すでに1分を切っていた。カーブやうねりの多い道で、集団はますます勢いを増していった。あまりに急ぎすぎたものだから、ランプレ・メリダやロット・ソウダルの総合リーダー格、つまりルイ・メインチェスとバルト・デクレルクがカーブを曲がり損ねて激しく地面に転がり落ちてしまったことさえ(幸いにも前者は、チームメートの自転車に飛び乗ると、メイン集団にすぐに復帰した)。せっかちなプロトンは、しかも、フランクを吸収する前に、ステージ優勝争いを終わらせてしまった!
ゼイツとバークランツを飲み込んだ直後だった。ゴール前4.5km、「無印」の上り坂で、モヴィスターからダニエル・モレノが発射された。ここでイェーツも、前に行く決心を固めた。当然ではあるけれど、モヴィスターにもオリカにも、もはや先頭牽引をする理由はなくなる。集団の統率が崩れ、勢いは緩むはずなのだ。その隙にスペイン人に追いつくと、イェーツは後輪にぴたり入り込んだ。 モレノの背後でほんの少しだけ足を休めると、ラスト4kmで再び加速した。独りになってすぐに、フランクにも追いついた。ここでも、ちょっとだけ後輪に入り込んで、息を整え直すことを忘れなかった。そして、「逃げの残党」が、もはや協力し合う力を残していないと見定めるや、非情にもあっさりと切り捨てた。ラスト3.6km、サイモン・イェーツは、勝利へと向かって飛び立った。
3月のパリ〜ニースは総合7位という好成績で終えた。ところが第6ステージのドーピング検査で、禁止薬物テルブタリン陽性が検出された。TUE治療使用特例の申請をチームが怠ったことが理由であり、意図的なドーピング行為ではない……という理由から、4か月という極めて短い出場停止処分だけで済んだ。しかし、ツール・ド・フランス出場には、ほんの10日間だけ間に合わなかった。双子の兄弟アダムは人生2度目のツール出場を果たし、総合4位&新人賞という、輝かしい成果を持ち帰ったというのに。
ただし、8月上旬に24歳になったばかりのサイモンは、苦悩や嫉妬の日々から自らの脚で抜け出した。後方からは数人が突進してきたが、過去の亡霊と一緒にすべて振り払った。2位以下に20秒、メイン集団には29秒のリードを奪って、悠々とフィニッシュで両手を上げた——。
3度目のグランツールで、アダムが双子にとって初めての副賞ジャージを手に入れたのだとしたら、同じく3度目のグランツールで、サイモンは双子にとって初めてのグランツール区間勝利を獲得したことになる。また所属チームのオリカ・バイクエクスチェンジは、創設5年目にして初めて、同一シーズンの3大ツール全てで区間勝利を手に入れた(ジロはチャベス、ツールはマシューズ)。
いわゆる「総合本命」たちは、みな揃って、29秒差の集団で1日を終えた。アタプマはマイヨ・ロホを危なげなく守り、一方では大会3日目のマイヨ・ロホ着用者ルーベン・フェルナンデスが、7位から一気に33位へと陥落した。また一撃を成功させたサイモン・イェーツは、総合でも15位から10位(1分28秒差)へと大きく躍進している。
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