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ルイスレオン・サンチェスは最後まで悪あがきを続けた。ゴール前9kmで再加速を切ると、クラークと共に先を急いだ。残り5kmで15秒、2kmで12秒。しかし、後方でティンコフが牽引を開始すると、リードは急速に溶けていく。ラスト1kmで8秒差。ティンコフの蛍光イエローは3人隊列で、フラムルージュをくぐった。
このラスト1kmに、2つのドラマが待ち受けていた。1つ目は集団落車。しかもティンコフ列車の3両目が連結解除された直後に——つまりミハエル・ゴグルとダニエーレ・ベンナーティの背後に潜んでいたコンタドールが、2人の後輪から離れた直後に——、それは発生した。
ゴール前550m、道が大きくうねった地点で、プロトンの一部がなぎ倒された。コンタドールも巻き込まれ、左半身を大きく打ち付けた。総合優勝を狙って乗り込んだ今年のツールでは、初日・2日目に落車の犠牲となり、志半ばで途中棄権を余儀なくされたというのに……。幸いだったのは、全治4か月と診断された7月の負傷とは違って、今回はおそらく擦過傷だけで済んだこと。また「ラスト3kmのタイム救済措置」のおかげで、タイムロスも一切なかった。
その他の総合争いの選手たちにも、みな揃って同タイムが与えられた。ダルウィン・アタプマの手元から、マイヨ・ロホが移動することはなかった。
そして2つ目は、ルイスレオン・サンチェスとクラークの逃走劇に、ギリギリで終止符が打たれたこと。リーダーの落車に気が付かず、猛進を続けたティンコフの両人が、着実に2人を追い詰めた。さらに畳みかけるように、落車を逃れた俊足たちが、2人の存在などお構いなくスプリント勝負へとなだれ込んだ。執念で粘り続けたものの、フィニッシュライン手前200mで、大きな流れに巻き込まれた。最終的にルイスレオン・サンチェスは11位、クラークは30位で1日を終えている。
フィナーレには、ヴァンヘネヒテンの歓喜が待っていた。29歳にして生まれて初めてのグランツールに出場した遅咲きが、ティンコフのダニエーレ・ベンナーティ、さらにはモヴィスターのアレハンドロ・バルベルデという強豪ベテランを退けて、生まれて初めてのステージ勝利をさらい取った。ちなみに現時点までの2016年ブエルタ区間勝者は5人。うち4人が、グランツール初区間勝利を祝っている!
イアムにとっては最初で最後のブエルタ勝利になるかもしれない。2013年に創設されたスイスチームは、チームにとってたった6度目のグランツール(2016年ジロ)の期間中に、年度末での解散を発表している。投資家のオーナーが、グランツール区間勝利も挙げられないような集団にはスポンサーなどつかない、と判断したからだ。そのわずか2日後に、イアムは、チーム史上初めてのグランツール勝利(ジロ)を祝った。さらにはツールでも1つ勝ち、そしてこの日はブエルタでも1つ。運命は残酷だ……。もはや時計の針を戻すことはできない。ジロ区間覇者のロジャー・クルーゲは来季はオリカへ、ツール区間覇者のハルリンソン・パンタノはトレックへ、そしてブエルタ区間覇者のヴァンヘネヒテンはコフィディスへ(でナセル・ブアニの発射台)と、それぞれに違う道を歩いていく。
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