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ブランビッラは最後まで抵抗を試みた。しかしゴール前20km、かつてエウスカルテルのオレンジジャージを着ていたこともあるロペスガルシアが、チームメートのケノーに感謝の意を示し、静かに後ろに下がっていったのが合図だった。序盤からの逃げが吸収され、そして、めくるめくアタック合戦第2部が幕を開けた。
2度目のエル・ビベロ登坂と同時に、ドゥリース・デーヴェニィンスが飛び出した。フランドル生まれの33歳は、すでに第9ステージでも攻撃的に走りながら、フィニッシュ手前1kmで脚が止まって……。あの日フィニッシュ地で「もう1度繰り返すさ」と断言した通り、思い切りよく加速を切った。後方にはすぐに30秒ほどのタイム差をつけた。
その後方では収集不能なほど、数々のアタックが巻き起こった。ジョージ・ベネットが試み、アンドレイ・ゼイツが加速した。第9ステージ同様に、デーヴェニィンスのチームメート、マティアス・フランクがストッパー役として前方で暗躍し、21歳の若きマトヴェイ・マミキンはむずかる脚を幾度となく爆発させた。ラスト15km、バスクの熱狂的なファンが詰めかけた細い山道では、前日ステージ獲りを失敗したアルベルト・コンタドールが攻撃に転じたことさえあった。
下りに転じるとモヴィスター チームの護衛役ダニエル・モレノが飛び出して、LLサンチェス等々と数人で追走集団を形成したり。下りきった先ではヤン・バークランツやアンドリュー・タランスキー、サイモン・イェーツが加速を見せたり。
ただし、すべての試みは、長続きしなかった。デーヴェニィンスを追って飛び出した選手たちは、牽制と抜け駆けを繰り返すばかりで、一切の協力体制を取ろうとはしなかった。後方ではトレック・セガフレードやオリカ・バイクエクスチェンジが、集団牽引の脚を緩めようとはしなかった。結局、あらゆる謀反は消し止められた。単独で粘リ続けたデーヴェニィンスもまた、ラスト1.2kmで、40人ほどの小さな集団に飲み込まれていった。
トレインのない、てんでばらばらなスプリントへと、集団は突進していった。そもそも、スプリント巧者は、ほとんど残っていなかったのだけれど……。それでもモヴィスター チームが最後まで先頭を引っ張り、「ヒルクライマー最高のスプリンター」アレハンドロ・バルベルデのために力を尽くした。集団内で唯一の「上れるスプリンター」ファビオ・フェリーネも、渾身のスプリントを切った。
遠くからのスプリント一発で、勝負は決した。ケウケレールが、ライバルたちをほぼ自転車一台分突き放して、先頭でフィニッシュラインを駆け抜けた。最終的にアタック潰しの役目を果たすことになったイェーツと、最終発射台を務めてくれたダミアン・ハウスンの尽力にしっかり応え、しかも、応援に訪れていた恋人と息子の前で男を上げた!北クラシック巧者にとって、5度目のグランツール参戦でつかみとった、初めての区間勝利だった。
フランドルっ子の背後で、来季フランドルチーム(エティクス・クイックステップ)からフランスチーム(フォルチュネオ)へと籍を移すマキシム・ブエが2位に食い込んだ。フェリーネは3位に甘んじ、アレハンドロ・バルベルデは8位で走り終えた。総合トップ10選手は、ひどくナーバスだった1日を、揃ってタイム差0で締めくくった。
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