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【Cycle*2024 フレーシュ・ワロンヌ:プレビュー】唯一絶対の勝負地「ユイの壁」を4回、誰が真っ先に上り詰めるのか
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なんという長い1日だったのだろう。今大会最長の213.4kmを、メインプロトンはのんびり6時間以上かけて――今大会クイーンステージの前夜に――、いわゆる「サイクリングモード」で走り切った。フィニッシュまで走り切った170人の中で、真剣勝負を挑んだのはただ12人だけだった。ヴァレリオ・コンティが独走で生まれて初めてのグランツール勝利をつかみとり、セルゲイ・ラグティンは晴れて山岳ジャージを身にまとった。
フランス側バスクを通過するこの日、(歴史的な領域としての)バスク出身であり、ツール・ド・フランスを過去5回制したミゲル・インドゥラインが、スペイン一周を訪れた。ステージ中には来年のブエルタ開幕地が、フランスのニームとなることが発表された。しかも明日の第14ステージでは、フランス屈指の難峠をよじ登る……。
その前に、総合ライダーたちは、自主的な休息日を取ることに決めたようだ。スタートからわずか1kmほどで、飛び出していった12選手の背中を見送ると、モヴィスター チーム率いるプロトンは一切の勝負を止めた。
なにしろ12人の全員が、マイヨ・ロホのナイロ・キンタナから、すでに大幅な遅れを喫していた。総合で最も出来のいいコフィディスのフランス人ステファヌ・ロセットさえ、1時間12分26秒遅れだった。総合最下位=3時間00分46秒遅れのフランス人、ロマン・アルディの姿さえあった。だから後方の総合勢は、警戒する必要などまるでなかった。ただ無駄なエネルギーを消耗せず、安全に最後まで走り切ることだけに専念すればよかった。おかげでエスケープのリードはどんどん広がっていった。ステージ折り返し地点で、すでに18分近い差を開いていた。
第8ステージで逃げ切り勝利をもぎ取ったセルゲイ・ラグティンも、まんまと逃げ滑りこんだ1人だった。あの日の最終峠で、すでに山岳ポイント10ptを手にしていたウズベキスタン生まれのロシア人は、この日は4つ全ての山岳で先頭通過を奪いに行った。3pt×4=12ptを積み重ね、首位ナイロ・キンタナを1ptだけ上回り、ステージの終わりには青玉ジャージランキングトップに颯爽と躍り出ることになる。もちろん、山岳ポイントを追い越されても、タイム差がどんなに開いても、ナイロ・キンタナボーイズは追走スピードを決して上げなかった。ただチーム9人全員で隊列を組み、黙々と前に進むだけだった。
ゴール前40kmで、タイム差は20分。どんなに疑い深い人間さえも、もはや前方集団の逃げ切りを確信するしかなかった。そして上りを利用してガティス・スムクリスが試験的な加速を仕掛けると、いよいよ壮大なる警戒ごっこが始まった。
数日前に落車し、数針縫ったせいで絶好調ではなかった……というロセットが、ラスト30kmの平地でがむしゃらなスピードアップを試みた。そこに反応したイェーレ・ワライスが飛び出しを決め、ティンコフ勢としては今ブエルタ初めての逃げに乗ったミハエル・ゴグルが後を追って……。はるか後方のプロトンの静寂がまるで嘘であるかのように、前方では壮絶な化かし合いが繰り広げられた。
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