人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

サイクル ロードレース コラム 2017年7月6日

ツール・ド・フランス2017 第5ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
  • Line

写真:区間優勝を飾ったアル

ちなみに2012年はポートが最後から2番目の(スカイの)アシスト役として、ラスト3kmで強烈な加速を仕掛けた。最終アシストはフルームで、先頭集団を5人にまで絞り込んだ。そのままフルームが区間勝利を果たし、スカイのリーダー、ブラッドレー・ウィギンスがマイヨ・ジョーヌを身にまとっている。一方で2017年のスカイは、アルの加速にはすぐに反応しようとはしなかった。あくまでもアシストは一定の高速テンポを守り、その背後ではフルームが、無線で指示を仰ぐ姿が何度も見られた。

「アルのアタック直後も、僕はチームメートの後ろで走り続けた。他の選手の反応を待っていたんだ。でも誰も動かなかった。だから僕自身が行くことに決めた」(フルーム、公式記者会見より)

つまりアルのリードが20秒程度に広がり、サイモン・イェーツの企みが潰され、最終アシストが「マイヨ・ジョーヌ姿」のゲラント・トーマスとなった時だった。残り1.7km、フルーム本人が加速に転じた。

例の超高速ケイデンスについて行けたのは、5年前はアシスト仲間だったポートと、昨大会2位ロメン・バルデ、そして第3ステージ3位で好調さを見せていたダニエル・マーティンの3人だけ。アルベルト・コンタドールはあっさり脱落し、ナイロ・キンタナは少しだけ粘りを見せるも、すぐに後方へと追いやられてしまった。

「でも、もしかしたら、待ち過ぎたかもしれない」(フルーム、公式記者会見より)



写真:ゴール直前の争い

その通り、元気いっぱいのアルを、さすがのフルームでも捕らえることはできなかった。20%の激坂なら、イタリアやスペインで幾度となく駆け上がったことがある。けれど「ジロやブエルタとは大きく違うし、はるかに難しい」ツールで、アルは追い上げを見事に交わし切った。ガッツポーズを空高く突き上げ、故郷の島サルデーニャで開幕したジロ・デ・イタリア100回大会に、故障のせいで出場断念せざるを得なかった悔しさを晴らした。ツールでは初めての区間勝利で、総合は3位へと大きくジャンプアップ。つい10日ほど前に手に入れたイタリアントリコロールジャージを一旦脱いで、山岳賞の赤玉ジャージを身にまとうことになった。

アスタナが2回連続で勝ち取った山で、2012年と同様に、スカイのリーダーが山頂でマイヨ・ジョーヌを身にまとった。フルームはマーティンにも先んじられ、20秒差の区間3位で終えたが、総合では早くも首位へと浮上した。ちなみに、過去この山で黄色い栄光を味わった2選手は、パリまで大切なジャージを持って帰っている。

「ジャージを獲るのが早すぎた?でも、この立場につくのは、僕にとっては目新しい出来事ではないんだ。それにむしろ、ジャージを着ていることによるアドバンテージだってある。とにかくマイヨ・ジョーヌを守るために、この先はあらゆる努力を尽くすつもり」(フルーム、公式記者会見より)

1日中アシストを働かせてきたポートは、「もう少し見返りが欲しかったけれど」(フィニッシュ地インタビューより)、同タイム4位で満足するしかなかった。総合では5位の座に浮上した。2位のマーティンが総合4位につけ、2日目からの4日間マイヨ・ジョーヌを着てきたトーマスは、いまだ総合2位に喰いとどまっている。

☐ ツール・ド・フランス 2017
ツール・ド・フランス2017 いよいよ7月1日開幕!
全21ステージ独占生中継!

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
サイクル ロードレースを応援しよう!

サイクル ロードレースの放送・配信ページへ