クリス・フルームが警戒「彼にあれだけのスペースは与えてはならない」

常に控え目なファビオ・アル（アスタナプロチーム）だが、レースでの彼は控え目とは真逆の積極性を見せる。

アルはステージ5の残り3キロ時点から猛烈なスパートをかけ、ステージ優勝を果たしたことで、彼に対する本ツールにおける注目度が飛躍的に大きくなった。現在総合一位であり、総合優勝を虎視眈々と狙うクリス・フルーム（チームスカイ）にとってアルが最大のライバルとなるかもしれない。

レース後フルームは本日のアルの活躍について「ファビオはとても良い走りを見せた。彼は正しいタイミングでアタックをかけた。ファビオはとても良いコンディションを維持している。今日のステージ優勝の結果がそれを証明している」と称賛した一方、「今後のレースにおいては、彼にあれだけのスペースは与えてはならない」との警戒心を述べた。

アルはステージ5でタイムボーナスを得た事で、ステージ前25位だった彼の総合順位を一日で3位にまで上昇させることに成功した。タイムトライアル（TT）で大きく出遅れたアルにとって、このリカバリーは驚愕の域だ（筆者注：アルはTTを66位でフィニッシュ）。

27歳のアルはジロ・デ・イタリアで負った膝のケガの影響から、本ツールには元々参戦すら出来ないはずだった。そんなアルだが、ステージ5では彼にとって初となるツールでのステージ優勝を果たした。アルはその初優勝後、以下の様な謙虚なコメントを残している。

「クリス・フルームに対しては最大限の敬意を常に持っている。2014年のブエルタ・ア・エスパーニャで、彼と対戦出来たことはとても良く覚えている。彼は常にツアーに最高の状態で登場する。今僕にすべきことは、冷静さを保つことだと思う」

また、総合優勝が見えてきたか？との記者からの質問に対しては「ツールがどれほど過酷なものと成り得るか、僕は知っている。決まり文句を言っている様に聞こえるのはわかるが、僕は一日、一日のステージを大事にし、先の事をあまり考えない様にしたい」と控えめに回答した。

引用：http://www.velonews.com/2017/07/tour-de-france/aru-emerges-froomes-biggest-threat_442898

翻訳協力者：坂田裕希/家徳悠介

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