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サイクル ロードレース コラム 2017年7月10日

ツール・ド・フランス2017 第9ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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写真:終盤に独走したワレン・バルギル

山地ではマシューズを助け、平地では逆に助けられたのがワレン・バルギルだった。第8ステージの逃げで7ptを手に入れたフレンチクライマーは、2日連続で大逃げに乗り出した。

「前日に稼いだポイントを無駄にするのはもったいないと考えた。だから今日、再びトライした。地形は最高に僕向きだったしね!今日は賢く走った。昨日みたいに馬鹿な動きは繰り返さなかった。それに3級、4級の小さな峠では動かなかった。ただ大きな峠だけに、ひたすら集中したんだ」(バルギル、ミックスゾーンインタビューより)

こうして超級首位通過2回を合わせた53ptを積み重ねると、計60ptで堂々たる山岳賞首位に立った。「大会の終わりまで守っていく」との力強い宣言も飛び出した。

しかもバルギルは、エスケープを企てた大量40選手の中で、最後まで逃げ切った唯一の選手である。ラスト32km、超級モン・デュ・シャの上りで、独走態勢に突入した。残り12kmでロメン・バルデに一旦追い抜かれるも、フィニッシュでは5人の総合トップ集団とスプリントを争った。

メイン集団を5人にまで小さく絞り込んだのは、アージェードゥゼール・ラ・モンディアル(Ag2)の猛攻がきっかけだった。フィニッシュ地シャンベリーに本拠地を置く同チームは、今大会1つ目の超級峠、ビッシュからの下りをどうやら攻撃開始地点に定めていた。逃げに潜り込んでいたAg2rトリオが、下りでエスケープをバラバラに切り裂くと、後方でもやはり、バルデ親衛隊がすさまじい加速を畳みかけた。総合ライバルたちに強烈な圧力をかけ、落車を誘発し、なによりアルベルト・コンタドールを一旦後方へ置き去りにした。

グランツール総合7勝の偉大なるチャンピオンは、続く超級グラン・コロンビエの登坂口ですぐにメイン集団復帰を成功させる。しかし、最大勾配22%の恐ろしい山道を、おなじみのダンシングスタイルで上っている最中に……、なんと落車してしまう。左側から地面に倒れ込み、軽く膝を打ち付けた。この小さな事故が、最終峠で苦しみ、ライバルたちから4分19秒を失う原因となったのかもしれない。

超級2連続を終えると、30kmほど、集団は谷間の平地を猛スピードで駆け抜けた。かなり肌寒かったステージ序盤とは対照的に、最後の超級モン・デュ・シャにたどり着く頃には、気温は摂氏30度を超えていた。広告キャラバンカーが煙を吐き、レッカー車で運ばれていったほどの、そんな桁外れの激坂では、ファビオ・アルの行動が物議をかもした。というのもフルームが手を上げ、後方へ向かってメカトラブルの合図をしている最中に、イタリアチャンピオンは前方へと飛び出してしまったから!

「いや、ファビオのアタックには、まるで気が付かなかった。フィニッシュ地で記者たちから質問されて、初めてその件について知ったくらいなんだ。あの瞬間はチームカーを探すのに必死だった。自転車交換が必要だったから」(フルーム、公式記者会見より)

フルームに知られぬよう加速を切ったアルの後輪に、ナイロ・キンタナは反射的に飛び乗った。(落車前の)ポートもすぐさま後を追うも、こちらは「元リーダー」を援護するためだった。

「集団に戻った時に気が付いたのは、きっとリッチーが他の選手に話をつけてくれたに違いないということ。『メカトラ時に、レースの総合リーダーに対して攻撃すべきではない』と言ってくれたんだと思った。とにかくリッチーにお礼を言いたいし、あの瞬間を悪用しなかった集団のほかの全選手にも、感謝している」(フルーム、公式記者会見より)

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