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【Cycle*2024 フレーシュ・ワロンヌ:プレビュー】唯一絶対の勝負地「ユイの壁」を4回、誰が真っ先に上り詰めるのか
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写真:バルギルが手をあげたが、写真判定の結果ウランの勝利となった
激坂を登った後には、いつだって勾配の厳しい下りが待っている。しかも雷雨が通り過ぎたせいで、道は極めて滑りやすくなっていた。無数の落車が発生し、2人の総合表彰台候補が即時リタイアに追い込まれた。メカトラを乗り越えて、リゴベルト・ウランが区間を制した。メカトラで一時はひやりとさせられながらも、クリス・フルームがマイヨ・ジョーヌの座を守った。
昨年10月のコースプレゼンテーションで、大会開催委員会は、この「ツールでは前代未聞」の激坂ステージを実に誇らしげに紹介したものだ。たしかに、普段なら座り漕ぎアタックを炸裂させるフルームが、立ち漕ぎで加速を切るという珍しい場面さえ目撃された。しかもレースを実際に終えてみると、前評判以上に、現実は過酷だった。
「昨日の時点では、今日はGCライダーたちのタイム差が大きく割れるだろう、と予測していた。あらゆる意味で、それは現実となった。今日のステージは、本当に暴力的だった」(クリス・フルーム、公式記者会見より)
あらゆる意味で……。その1つが、落車だった。ステージ半ば、雨に濡れた超級コル・ド・ラ・ビッシュからの下りで、ゲラント・トーマスが地面に倒れ落ちた。大会最初のマイヨ・ジョーヌで、この日の朝まで12秒差の総合2位につけていたチームスカイ第2の男は、右鎖骨骨折で大会を去った。区間最後の超級、モン・デュ・シャからの下りでは、リッチー・ポートが犠牲となった。ダニエル・マーティンを巻き込みながら、激しく岩肌に激突した。鎖骨と骨盤を骨折し、そのままシャンベリーの救急病院に搬送された。この1日だけで5選手が途中リタイアを余儀なくされた。またラファル・マイカも激しい落車の犠牲となり、総合10位から43位へ一気に陥落した。
スタート直後からフィニッシュライン上まで、予想よりはるかに激しい真剣勝負が繰り広げられた。あらゆるタイプの選手が、それぞれの目標に向かって、1日中努力を惜しまなかった。真っ先に40人近くの選手が勇んで飛び出し、区間勝利や山岳ポイント収集に励んだ。なにしろ行く手に7つの山がそびえる今区間では、最大70ポイントを回収できるのだ。いわゆる総合リーダーのための前方待機要員も、やはり前方に配置された。全22チーム中19チームが選手を先頭に送り込み、総合系ではスカイだけが、全員でフルームの周りを固めた。
中間ポイント収集に挑んだ選手さえ存在した。ペーター・サガンのせいで、近頃はすっかり、凡庸な作戦であるかのように錯覚してしまうけれど……。スタートからいきなり上り始め、ステージ中盤に激坂×超級×2が待ち受けている難関山岳ステージでこの作戦を実行するとは!アルデンヌクラシック巧者で、多少の起伏には耐性を持つマイケル・マシューズが、大胆に逃げた張本人だった。共に飛び出したチームメート4人の助けを得つつ、まんまと中間首位通過で20ptを手に入れた。その後はあっさり努力を打ち切ると、静かにステージを走り終えた。首位から52pt差の、ポイント賞2位に浮上した。
ところで、順位が3位から1つ上がったのは、アルノー・デマールが大会を去ったから。前日ももがき苦しんだフランスチャンピオンは、39分58秒の制限タイム内でステージを終えることができなかった。他の6選手と共に――3人のアシストを巻き添いにして――、第1回目の休息日を前に、自転車を降りた。
「僕らみんなで一緒に勝って、みんなで一緒に勝った。4人で帰宅する羽目になったのだから、当然、ものすごくがっかりしている。ツールではわずかなミスも許されない。これがツールなのさ……」(デマール、フィニッシュ後TVインタビューより)
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