AG2Rが共闘を呼びかけ「フルームを乱すことがパリでの表彰台を狙う全てのチームの利益になる」

日曜日の第9ステージは大混乱のレースだったが、中でもアージェードゥーゼール・ラ・モンディアル（以下：AG2R）の動きはレースに火をつけ、近年のツールでも最もスリリングなステージとなった。

コル・ド・ラ・ビシュからの下りで、AG2Rは逃げとメイン集団に複数人を配置し、マイヨ・ジョーヌのクリス・フルーム（チーム スカイ）と過去2回度のツール総合優勝を誇るアルベルト・コンタドール（トレック・セガフレード）のペースを乱しにかかった。ステージ最後の超級山岳モン・デュ・シャまでその攻撃は止むことがなく、チームの助けを得たロメン・バルデは下りで抜け出し、もう少しでステージ優勝という状況だった。

「我々はスタートからレースをコントロールした。それが重要なことだ」

ジェネラルマネージャーのヴィンセント・ラヴェヌは言う。

「我々はチーム スカイと同じレベルにはいない。でもある一定の時間、一定の状況でレースをコントロールすることはできる。」

ラヴェヌは、ロメン・バルデが51秒差で追うマイヨ・ジョーヌについて問われると、繰り返しチームでレースを「乱す」ことについて語った。

「我々は激しい展開のレースを望んでいる。そういう展開のレースでは、チーム スカイもチーム全体のバランスを乱すことになる。一級、もしくは超級山岳の頂上ゴールのステージで、先頭にチーム スカイのメンバーが5人いるとしたら、レースは乱れようがない。だから我々はレースに動きを作ろうとしているんだ」

チーム スカイの態勢に亀裂をもたらすべく、ラヴェヌは共通の敵に対して団結しようと総合優勝を狙う他のチームに呼びかけた。ナイロ・キンタナ（モヴィスター チーム）、ダニエル・マーティン（クイックステップフロアーズ）、リゴベルト・ウラン（キャノンデール・ドラパック プロフェッショナル サイクリングチーム）ら総合上位勢はもちろんだが、フルームと18秒差で総合2位のファビオ・アル、そして総合5位のヤコブ・フグルサングを擁するアスタナ プロチームの動きが重要だ。

ラヴェヌは言う。

「フルームを乱すことがパリでの表彰台を狙う全てのチームの利益になると思う。皆がそのために動いて、レースを早い段階から作っていくことで、チーム スカイが集団でレースをするのが難しくなる。全てのチームは各チームの戦略があるから、それは尊重しなければならない。でも団結するという考え方も取り入れるべきだろうと思う」

バルデは第11ステージで落車したものの、幸いにも軽症で済んでいる。

「（第12ステージは）200キロオーバーの山岳ステージだから、マラソンみたいだね。うまくレースが運んで、いい戦いができることを望んでいるよ」

AG2Rの戦略と、ロメン・バルデの走りに注目だ。

翻訳協力者：坂田裕希/家徳悠介

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