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写真:事実上、総合優勝を決めたフルーム
得意のタイムトライアルで、クリス・フルームは歴史的僅差の突破口を見つけ出した。南フランスの太陽のように明るく輝く黄色のジャージで、前日誓ったように「勝たなくてもいいけれど、負けてはならない」好走を披露すると、4回目の総合優勝についに王手をかけた。「あとはパリまで無事に帰りつくだけ」とほっと胸をなでおろした。マチェイ・ボドナールは1秒差で歓喜の初ステージ勝利をつかみ取り、ロメン・バルデが1秒差で……現時点では2年連続の表彰台を確保した。
楽しかった夏祭りの、最高に美しい終わり方。いつもならサッカーの応援歌がこだまするスタッド・ド・ヴェロドロームが、この日は、2017年ツールのクライマックスを迎え入れた。大歓声と……ブーイングが競技場に響き渡り、3週間の激闘を生き抜いてきた選手たちの胸を震わせた。とりわけ、自らのスタートとフィニッシュでたっぷり感激を味わった後、ボドナールはさらに2時間半も会場を満たす興奮を肌で感じ続けた。
「たしかに、いつものタイムトライアル以上に、すごい雰囲気だった。フィニッシュ脇のホットシートに2時間以上も座っていたから、たくさんの歓声が聞こえてきたよ。でも、あそこでずっと待っているのは、簡単じゃなかった。特にクリス(フルーム)がTT得意なことを知っていたから、すごくストレスを感じたよ」(ボドナール、公式記者会見より)
167人目の最終走者、つまりフルームが22.5kmのフィニッシュラインを越えた瞬間に、ようやく解放の時がやってきた。なにより精神的に難しかった3週間を、生まれて初めてのグランツール区間勝利で締めくくることができた。
写真:ベストタイムを出したボドナール
2010年からペーター・サガンと苦楽を共にしてきた名アシストは、第4ステージ後にエースが大会失格となった後、モチベーションを保つのに苦労したという。「6年連続マイヨ・ヴェール獲得」という大目標が消え、残されたチームメートたちと一緒になんとか自分たちのツールを救わねばならなかった。だから第11ステージでは、200㎞も前方を突っ走った。栄光までたったの200m、足りなかったけれど……。この日は同国生まれの仲良し、ミカル・クヴィアトコウスキーをわずか1秒差で破った!
「ミカルには申し訳ないけれど、今日は僕の日だった。すごく嬉しい。子供時代の夢はツールに出場することで、すでに5回も出場できた。しかも、今日は、ステージを勝つことができた。僕にとっては、単純に、信じられないような1日だ」(ボドナール、フィニッシュ後インタビューより)
それにしても難解なタイムトライアルだった。気まぐれに吹き付ける海風、旧市街の石畳路、さらにはノートルダム・ド・ラ・ガルド教会へと続く恐るべき激坂。いわゆるスペシャリストたちも大いに苦しめられた。4度の世界選手権優勝を誇るトニー・マルティンさえ、ボドナールに14秒足りなかった。
バルデを苦しめたのは、なにもコースだけではなかった。
「アルプスのステージ後に、少し風邪をひいた。あまり体調がよくなかった。ツール・ド・フランスでの僕はいつもそうなんだけど、良い日もあれば、あまりよくない日もあんだ。プレッシャーが重すぎた、とは言いたくない。でも確かに、今年はたくさんの『初めて』があって、それに慣れていかなければならなかった」(バルデ、公式記者会見より)
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