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【Cycle*2024 フレーシュ・ワロンヌ:プレビュー】唯一絶対の勝負地「ユイの壁」を4回、誰が真っ先に上り詰めるのか
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稀代のアーチストの、人生最後の作品は、間違いなく傑作だ。いよいよ引退に向かってカウントダウンが始まったこの日、アルベルト・コンタドールが退屈をぶち壊し、カオスを作り出した。トマシュ・マルチンスキーが今大会2勝目を手に入れた後方で、トレードマークの果敢なアタックを打つと、総合表彰台の可能性を手元へ大きく引き寄せた。2度の落車で必死の追走を強いられたクリス・フルームは、十分なリードを有していたおかげで、大切なマイヨ・ロホはしっかり守りきった。
厳しかった前日と、厳しくなるであろう週末に挟まれた、いわゆる移動日となるはずだった。冷たい雨に打たれた翌日に、ギラギラと照りつけた灼熱の太陽は、疲れた肢体に優しくなかった。飛び出し合戦はあいかわらずの猛スピードで、しかも延々40kmも続いた。
だから14人が逃げへの切符をつかみ取ると、後方に残された選手たちは一気に減速した。いつものとおりにチームスカイが隊列を組み上げ、淡々としたリズムを刻んだ。逃げ集団には9分以上のリードを与え、8月最後の午後を静かに過ごした。
おかげで前の14人は、早い段階で逃げの成功を確信した。終盤に立ちはだかる2つの峠にさしかかると、あっさり逃げ切りへ向けた協力体制を放棄し、区間勝利を巡る戦いへと切り替えた。フィニッシュまで50km、1つ目の山の下りで、ミカエル・モルコフが飛び出したのがきっかけだった。
一時は30秒近い差が付いた。ただし昨夜チームバスが放火され、代替の観光バスでスタート地に姿を現したアクアブルースポーツ所属のピーター・コーニンが、大いに奮闘して集団を再びまとめあげた。
残念ながら2つ目の上りで、上記の2人は息切れしてしまう。小集団スプリントにもつれ込んだとしたら、間違いなく優勝候補に上げられるだろうエドワード・トインズも、至極あっさり脱落した。「おじいちゃんち」がこの近くだというスペイン系フランス人のアントニー・ぺレスも、家族が待つ山頂にたどり着く前に、後方へと滑り落ちていった。
チーム存続のために出来ることは何でもしたいブレンダン・キャンティと、この朝チームから5人目の途中離脱者が出たため、「チームの士気を上げるために勝ちたかった」(大会公式リリースより)というオマール・フライレが、積極的に上りを先導した。しかし2人の背後に、マルチンスキーの姿が見え隠れした。
「1勝目を上げた後、もう一度逃げようと、今ステージに狙いをつけた。この数日間は、脚を出来る限り使わぬよう気をつけた」(マルチンスキー、フィニッシュ後インタビューより)
ちなみにこの日に印をつけた理由は、ベルギーチームのポーランド人にとって、ずばり「地元ステージ」だったから。実はスタート&フィニッシュからほんの100kmも離れていないグラナダで暮らし、道の隅々まで知っていたから!
「でもスタート直後の激しい飛び出し合戦で、エネルギーを大いに消耗してしまった。逃げに乗るためにそれこそ幾度となく加速したからね。だから、ちょっと、終盤に向けて心配になったんだ。出来る限り集団内で静かに過ごし、最後の峠に備えることにした。その上りでは他の選手たちの様子をじっくり観察して、それから、単独で飛び出した」(マルチンスキー、フィニッシュ後インタビューより)
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