人気ランキング
J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題
コラム&ブログ一覧
「最高の1日だ。チームメートは素晴らしい仕事をしてくれて、僕はその仕事を完成させるだけでよかった。最後の上りは長く辛かったけれど、先のことを考えず全力を尽くした。僕にとっては『初めて』のグランツールだから、成績のプレッシャーを感じず、1日1日を思いっきり走っているんだ」(ロペスモレーノ、フィニッシュ後インタビューより)
1年前のブエルタをわずか6日目で落車リタイアした23歳は、途中で2つの山頂フィニッシュをさらいつつ、人生で初めて2週間目まで無事に走り終えた。おかげでチームのアスタナは今大会3勝目を祝い、チーム総合首位の座も順調に守った。本人の希望である総合新人賞はもちろんぶっちぎりの首位をキープしているが、2つ目の山頂フィニッシュ勝利で、山岳賞にも8pt差へと、大またで近づいた。
生粋の山男の驚異的な飛翔の背後では、スカイのコントロールが最後まで続けられた。仕事を終えたニエベに代わって、ワウテル・ポエルスが驚異的な牽引を引き受けた。クライスヴァイクにコンタドール、バルデ、さらにはアダム・イエーツをきっちり回収してまわった。ラスト1.3kmでイルヌール・ザカリンがアタックに転じ、ウィルコ・ケルデルマンも飛び出したけれど、表彰台の3番目の争いなど好きにやらせておいた。
むしろフルームが「最も危険なライバル」と呼ぶ2人を、フィニッシュ直前で振り落とした。3kmほどの攻撃で少し疲れたニーバリからは6秒を、22kmも前方で逃げ続けたコンタドールからは40秒を新たに稼ぎとった。
山の上では赤、緑、白の3色ジャージを独占し、2度目の休息日を前に、……いや、むしろ「スペシャリスト」と呼べるほど得意の個人タイムトライアル40.2kmを前に、総合2位ニーバリとの差を1分1秒に広げることに成功した。最後のダッシュが功を奏して総合3位に浮上したザカリンは2分8秒差、4位ケルデルマンは2分11秒差、5位エステバン・チャベスは2分39秒差、そして10位から一気に6位にジャンプアップしたロペスモレーノが2分51秒差につける。
「これからはロペスモレーノも危険人物?うーん、たしかに彼は、山ではものすごく強い。3週目にはたくさんの山が待っている。でも、まずは、休息日明けの個人タイムトライアルの結果を見てから考えたい。とにかく総合争いはまだ終わってはいない。3週目も激しいバトルが繰り広げられるだろう」(フルーム、フィニッシュ後TVインタビューより)
またしても勇敢な走りを見せ、誰よりも大きな声援を受け、そして敗れたコンタドールは、総合9位・3分59秒差に追いやられた。休息日を終えたら、いよいよキャリア最後の6日間が待っている。
「危険な賭けだった。でも僕は、アタックすることに決めた。後悔はしていない。だってこれが僕の走り方だから。総合表彰台を狙うのは難しくなったけれど、最後の最後まで、自分の走り方を変えることなんてしない」(コンタドール、フィニッシュ後TVインタビューより)
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
あわせて読みたい
J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題
ジャンル一覧
人気ランキング(オンデマンド番組)
-
Cycle*2024 ボルタ・ア・カタルーニャ 第3ステージ
3月20日 午後11:00〜
-
Cycle*2024 ボルタ・ア・カタルーニャ 第6ステージ
3月23日 午後10:30〜
-
Cycle*2024 ボルタ・ア・カタルーニャ 第5ステージ
3月22日 午後11:55〜
-
Cycle*2024 ボルタ・ア・カタルーニャ 第4ステージ
3月21日 午後11:00〜
-
Cycle*2024 ボルタ・ア・カタルーニャ 第7ステージ
3月24日 午後8:25〜
-
Cycle*2024 ボルタ・ア・カタルーニャ 第2ステージ
3月19日 午後11:00〜
-
3月16日 午後9:30〜
-
Cycle*2024 ボルタ・ア・カタルーニャ 第1ステージ
3月18日 午後11:00〜
J SPORTSで
サイクル ロードレースを応援しよう!