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サイクル ロードレース コラム 2017年9月7日

ブエルタ・ア・エスパーニャ2017 第17ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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「チームのために、なによりファンのために、区間勝利を取れなくてがっかりしている。でも、まだ、3日間残ってる。僕の考えでは、今後もたくさんのことが起こる。毎日全力を尽くさなきゃならないだろうし、常に準備万端じゃなきゃならない。あらゆるシナリオに備えてね」(コンタドール、フィニッシュ後インタビューより)

そもそも、すでにこの日、コンタドールが飛び出した背後で、もう1つの驚くべきシナリオが用意されていた。フルームが、大きく遅れたのだ。

コンタドールの攻撃で、自然とスピードが上がったメイン集団から、マイヨ・ロホが、少しずつ後退していった。いつもの泳がせておいて突然高速回転で追いかけてくる戦法か……?と一瞬ためらうような雰囲気も漂った。

「フルームはステージの間、一度たりとも、不調の兆候を見せなかった。一度たりとも!」(ニーバリ、フィニッシュ後TVインタビューより)

しかし、フルームは本当に苦しんでいるのだ、と確信するやいなや、総合2位ニーバリはペダルを漕ぐ脚に力を込めた。

3位ウィルコ・ケルデルマンや4位イルヌール・ザカリン等々も、流れに飛び乗った。途中で3位が脱落し、4位がここぞとばかりに加速すると、2位もさらに脚を速めた。6位ロペスモレーノを回収し、本来ならば総合争いをしているはずのマイカもついてきた。それぞれの守るべき場所や奪うべき場所のために、駆け引きや協力体制が繰り返された。

幸いにも、マイヨ・ロホには、忠実なアシストたちがついていた。山の麓までは6人が守った。ラスト3kmまでは3選手が、苦しむリーダーのために適度なリズムを刻んだ。フィニッシュラインを超えるその瞬間まで、ミケル・ニエベが付き添った。

コンタドールのフィニッシュから36秒後、ロペスモレーノ、ニーバリ、ザカリン、マイカが山頂に駆け込んだ。ケルデルマンはその15秒後に、フルームには42秒後に1日を終えた。

「タイムを失うのは、いつだって、楽しいことじゃない。でも、同時に、自分の総合ポジションに満足している。もしかしたら、昨日の努力が、尾を引いているのかもしれない。まあそれは当然のことだよね。再び調子が戻ってくると確信している」(フルーム、フィニッシュ後インタビューより)

前日のタイムトライアルで、フルームは総合のライバルたち、特に総合2位ニーバリから57秒を奪っていた。だから42秒を新たに失ったとはいえ、総合のリードはいまだ1分16秒を有している。総合3位のケルデルマンも、やはりこの日失ったタイム(15秒)よりもタイムトライアルで稼いだリード(たとえばザカリンに対して30秒)のほうが大きく、総合3位の座を守った。それでも4位ザカリンは12秒差に、5位コンタドールは1分21秒差に迫っている。

ちなみに逃げたヴィッレッラは、もう1日、青玉ジャージを身にまとう権利を手に入れた。結局1ptも手に入れられなかったマイカに対して、ロペスモレーノがフィニッシュで6ptを収集し、首位まで7pt差に追い詰めた。


宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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