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サイクル ロードレース コラム 2017年9月9日

ブエルタ・ア・エスパーニャ2017 第19ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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同ランキングは各区間上位3人のタイム合計で争われるから、つまり18分✕2=36分をやすやすと与えてしまうわけにはいかない。こうしてラスト50kmに入ると、アスタナがメイン集団の牽引に乗り出した。

幸いにも、前方集団には、もはや吸収される心配はなかった。少しくらいアスタナが加速しようが、区間勝利の争いには一切影響はなかった。だからフィニッシュまでいまだ70kmを残しながら、3つ目の上りで、早くも集団は割れ始めた。下りではロメン・バルデとロッシュが、強烈に揺さぶりをかけた。谷間の平地では、デヘントが集団を引きちぎりにかかった。さらに残り35㎞地点から、イバン・ガルシアは大胆にも独走を仕掛けた。

「故郷へと向かうステージで、いい走りが見せたかった。家族や友達がみんな応援に駆けつけていてくれたからね。興奮に背中を押されて、僕は飛び立った」(ガルシア、フィニッシュ後TVインタビューより)

まさしくフィニッシュ地のヒホンで生まれ育ったガルシアは、最後の峠には、1分差をつけて飛び込んだ。ブエルタ開幕以来、3週間もスペイン人優勝を待ち続けてきた観客たちは、地元アストゥリアスっ子の果敢なる独走に熱狂した。今大会で3番目に若い21歳は、フィニッシュ手前15kmにそびえる3級山頂も、ひとり先頭で駆け抜けた。


「下りはよく知っていたから、自分のカードを切れると思った」そうだが、上り最終盤で追走に乗り出したバルデに、下り序盤で追いつかれた。「2人の勝負ならまだ勝てるぞ」とネオプロは考え直すも、残り9kmでルイ・コスタとロッシュも合流してきた。ツール総合3位、元世界チャンピオン、ブエルタ区間2勝の強豪3人を相手にしても、「4人なら僕は速いからイケる」と決して自信を失わなかった。しかしラスト3kmでさらに5人が追いついてきて……。

最後に前集団をとらえた5人の中に、デヘントの姿もあった。ベルギーの大逃げ王もまた、大いに自信があった。2012年ジロではステルヴィオ山頂フィニッシュを独走で勝ち取り、2016年ツールではモン・ヴァントゥを一騎打ちを制した30歳は、実はスプリントに持ち込むよう画策していたという。

「追いつけると確信していた。だってバルデが飛び出してからは、せいぜい15秒くらいしか離されなかったから。予想通り穴は埋められた。スプリントも心配していなかった。脚の調子は良かったし、自分のトップスピードにも自信があったから。あとは絶対に誰も飛び出させぬよう、ひたすら警戒するだけだった。それにチームはすでに今大会区間3勝していたし、僕も人生でたくさんの素敵なレースを勝ち取ってきたからね。まだ勝ってないチーム、まだ勝ちを知らない選手とは違って、プレッシャーもなかったよ」(デヘント、フィニッシュ後インタビューより)

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