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サイクル ロードレース コラム 2017年9月11日

ブエルタ・ア・エスパーニャ2017 第21ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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最終日に似つかわしくないほどほど、ひどく緊迫したスプリントで、2017年ブエルタ・ア・エスパーニャの幕は閉じた。マッテオ・トレンティンが先頭で両手を天に突き上げ、その背後ではマイヨ・ロホが必死にフィニッシュラインへ向かってペダルを回した。イタリア人は区間4勝目をさらいとり、赤、白と並んで緑のポイント賞ジャージもクリス・フルームが持ち帰った。秋の匂いが漂い始めたマドリードで、アルベルト・コンタドールは、人生最後のレースを走り終えた。

フランスのニームから走り出したブエルタ一行が、スペインの首都へとたどり着いた。前夜のアングリルの山頂で総合争いはすべて終了していた。生まれて初めてのブエルタ制覇を成し遂げたクリス・フルームは、誇らしげにマイヨ・ロホをまとい、最後のステージをのんびりと楽しんだ。3週間に渡って働きづくしだった8人のアシストたちも、いつもの水色の代わりに赤いラインを入れたジャージに着替えて、この日ばかりはビールかけではしゃぐことを許された。

3週間前には198人だったプロトンは、過酷な山越えや熾烈な戦いを繰り返すうちに、158人にまで小さくなっていた。ただの1人も欠けることなく完走を果たしたチームは、スカイ以外に、カハルラル・セグロスエレヘアー、マンサナ・ポストボン、そしてキャノンデール・ドラパックプロサイクリングチームだけ。ちなみにスペイン一周中に存続の危機に襲われたアメリカチームだったが、嬉しいことに、前日に正式なスポンサーが発表された。ダヴィデ・ヴィレッラの山岳賞もすでに確定し、心からの笑顔で最終日を過ごすことが出来た。

背番号「1」をつけて、澄み渡る青い空の下、故郷への帰還を満喫したのはアルベルト・コンタドールだった。24時間前まではライバルだったフルームから、粋なプレゼントも贈られた。グランツール最終日の、最終周回コースに先頭で入場するのは、総合覇者を擁するチームと相場は決まっている。しかしトレック・セガフレードのアシストたちの直談判に、スカイのエースは快く首を縦に振った。コンタドールはひとり前方へと走り出ると、首都に詰めかけたファンたちに、ゆっくりとサヨナラの挨拶をすることができた。

「ご褒美のような1日だった。チームのみんなとマドリードにたどり着くことができたし、沿道のファンたちからたくさんの愛情を受け取った。なんだか夢みたいな気分だ。いつかキャリアの終わりが来ることは分かっていたけれど、こんなに幸せな終わりが迎えられるとは、想像さえしていなかった。この美しい思い出を、このブエルタのことを、いつまでも忘れないだろう」(コンタドール、フィニッシュ後TVインタビューより)

英雄の引退ランの背後では、マイヨ・ロホチームの9人が横一列に並び、全部で9回フィニッシュラインを越えるうちの1回目を先頭で越えた。……と同時に、スカイから、数選手が全速力で飛び出した!

びっくりしたのがクイックステップフロアーズだ。なにしろトレンティンが26pt差を逆転し、緑ジャージを奪還するための大前提は、「首位フルームに中間ポイントを取られないこと」だったから。慌ててベルギーチームは事態の収拾に走った。それでも繰り返し突撃を繰り返す総合首位チームに、トレンティンは思い切って聞いてみたらしい。

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