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【Cycle*2024 フレーシュ・ワロンヌ:プレビュー】唯一絶対の勝負地「ユイの壁」を4回、誰が真っ先に上り詰めるのか
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2018年度UCIワールドツアー(WT)登録チームは18で、2017年度の顔ぶれと変わらず。ただ、うち3チームについては、タイトルスポンサーの変更に伴い、チーム名の変更があった。
チームのラインアップは変わらぬ一方で、かねてより議論されてきたレース出場選手数の制限が導入される。ジロ、ツール、ブエルタの世界三大ロードレース「グランツール」では1チーム最大8名、グランツール以外のUCIレースにおいては、出場選手総数176名(1チーム当たり最大7名の計算)という上限が適用される。前年より『ー1』のメンバーで、選手たちは各レースに臨むこととなる。
グランツール主催者の主導で出場選手数のカットが導入された理由には、レースでの安全性の向上につながるのではないか、という期待がまず挙げられる。もう一つは、アシスト陣を駆使してアタックを封じ、レースのコントロールをするという、近年のグランツールにおける「守り」のレース運びに一石を投じたい、という考えだ。
いずれにせよ、グランツールのみならず全てのレースにおいて、チーム内の出場枠争いはし烈なものになるだろう。ここ4-5年前からの傾向ではあるが、それ以前のような、シーズンインから緩やかにエンジンをかけてターゲットのレースに向けて調子を上げていく、というやり方は通用せず、どのレースにおいても、パフォーマンスはかなりシビアに評価され、選考の検討材料となっていくはずだ。
移籍について
昨年8月1日の交渉解禁から、大きな移籍ニュースがいくつか続いた。 かねてよりカチューシャ・アルペシンとの関係悪化がささやかれていたアレクサンドル・クリストフのUAE チーム・エミレーツ行きが決定すると、それを追うように、マルセル・キッテルのカチューシャ・アルペシン入りが発表された。2年間を過ごしたクイック・ステップ フロアーズではフェルナンド・ガビリアの台頭が目覚ましく、近い将来、チームのトップスプリンターとしての座を分け合うことは避けがたい。チームは慰留したが、キッテルはクリストフが抜けたあとの新天地を選んだ。
他のスピードマンたちに目を向けると、ダン・マクレイ、サッシャ・モドロの二人がチームEFエデュケーションファースト・ドラパック・P/Bキャノンデールへ、マッテオ・トレンティンがミッチェルソン・スコットへ、エリア・ヴィヴィアーニがクイック・ステップへ、ダニー・ファンポッペルがロットNL・ユンボへ。エース・スプリンターを支えるトレインの構成にも変化がありそうだ。
チームリーダーの総合争いを支えてきた、山岳アシスト陣の移籍も次々と明らかになった。まず、チーム スカイからは、ミケル・ニエベがミッチェルソン・スコット、ミケル・ランダがモヴィスターへ移籍。ドメニコ・ポッツォヴィーヴォはアージェードゥゼール・ラ・モンディアルを離れ、バーレーン メリダのヴィンチェンツォ・ニバリのもとへ。総合リーダー本人の移籍としては、ツール区間初優勝をあげたファビオ・アールが、アスタナからUAE チーム・エミレーツへの移籍を発表した。
他の主だった移籍ニュースとしては、モニュメント2勝(リエージュ~バストーニュ~リエージュとイル・ロンバルディア)のダニエル・マーティンがアルと同じUEA チーム・エミレーツへ、闘志あふれるアタックが印象的なトニー・ギャロパンがロット・ソウダルからアージェードゥゼール・ラ・モンディアルへ、ツール区間2勝、山岳賞獲得のワレン・バルギルが、チーム・サンウェブから地元のプロコンチネンタルチーム、フォルテュネオ・サムシックへ。フォルテュネオ・サムシックは2018ツールの招待枠を獲得している。
寺尾 真紀
東京生まれ。オックスフォード大学クライストチャーチ・カレッジ卒業。実験心理学専攻。デンマーク大使館在籍中、2010年春のティレーノ・アドリアティコからロードレースの取材をスタートした。ツールはこれまで5回取材を行っている。UCI選手代理人資格保持。趣味は読書。Twitter @makiterao
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